USPTO Issued 101 Exam
Memorandum in light of Rapid Litigation (Fed. Cir. 2016-7-5) & Sequenom (Fed. Cir.
2016-6-27) Decisions Published July
14, 2016 Summarized
and Commented by Tatsuo YABE - September 6, 2016
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先般、2016年5月19日にUSPTOは2件のCAFC判決(5月12日のEnfish事件と5月17日のTLI事件)に鑑み審査官に対するメモランダム(5月19日審査官通知)を出した。
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今回、2016年7月14日、USPTOは表題の2件の判決(7月5日のRapid
Litigation事件と6月27日のSequenon事件)に鑑みさらなる審査官に対するメモランダムを通知し、当該2件の判決の要旨を説明した。尚、これら2件の判決で争点となったクレームは生物科学系の手法(プロセス)であり、
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Rapid
Litigation Management v. CellzDirect
(Fed. Cir. 2016-07-05)
Rapid
Litigation判決において自然法則を利用する発明(クレーム)のステップ2A(Alice2パートテストの第1ステップ)の”directed
to”判断に際し、さらに2つの注記事項が含まれている。
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即ち、第1点としてプロセスクレームにおいてプロセスによる結果、クレーム全体としての本質が保護非適格性を主題としているか否かを判断する。Rapid
Litigation事件において肝細胞が複数回の凍結溶解のステップを経ても存続可能であることの観察結果をクレームしているのではなく、当該観察結果(複数回のステップを経ても存続可能である)を利用して所望される結果(複数回の凍結溶解後も存続可能な肝細胞を準備する)を得るためのステップをクレームしているのである。この判断基準、即ち、Alice2パートテストの第1ステップのdirected
toに該当するか否かの判断はEnfish事件(Fed.
Cir. 2016-05-19)においても強調された(2016-05-19審査官通知を参照)。
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2点目として、自然法則の利用を規定するRapid
LitigationのクレームはMayo判決(2012年最高裁判決)で問題となった特許クレーム(単に自然法則の観察結果をクレームしているにすぎない)とは明白に識別される。
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Sequenom
v. Ariosa: (Fed. Cir. 2016-06-27)
最高裁に上告されたが上告棄却された。Sequenomのクレームは自然現象(母体血清或いは血漿に含まれるcffDNA)を主題としており、拡大及び検出するステップが規定されているがcffDNAを保護適格性を有する主題に変換する発明概念が存在しない。
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結論:
今回の2件の判決は、2014年の101条審査ガイダンス、2015年7月の更新版、2016年5月4日付審査官への通知、2016年5月19日付の審査官への通知の内容と整合性がある。
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References
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2016年5月19日、USPTO通知(5月19日通知)の概要:
Enfish,
LLC v. Microsoft Corp.(5月12日)とTLI
Communications LLC v. A.V. Automotive, LLC判決(5月17日)に鑑みた特許保護適格性に関して:
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2016年5月12日にEnfish判決が出た。当該判決は特許保護適格性の判断基準の大枠を変えるものではない。しかしながらMayo判決2パートテストのSTEP
2AにおけるAbstractアイデアの特定に関してさらなる見解を述べた。
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STEP 2Aを判断するにあたり以下の4点を言及した。
[1] クレームがAbstractアイデアに対するものか否かを判断する場合に、当該クレームと判例法でAbstractアイデアに対するクレームであると判断されたクレームとを比較判断してもよい。
[2]
STEP2Aにおける” directed to …”という判断は「例外」に対するものか否かを判断するための十分なフィルターとして機能させるべきである。即ち、STEP2Aにおいて、明細書を参酌しクレームの特質が全体として特許保護不適格な主題に対するものか否かを判断する。
[3] クレームされた発明の照準点(focus)を理解するときにクレームを過度に一般化し、クレームの文言の縛りを解除してしまうことになってはいけない。(クレーム発明の過度の一般化は危険である)
[4] クレーム発明が汎用コンピューターによって実施可能であるということのみで保護不適格と判断するのは間違いである。
2014年の101条審査ガイダンス、2015年7月の更新版、及び、2016年5月4日付審査官への通知で記載された内容は上記4つの項目と整合性がある。
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特にEnfish判決において、ソフトウェアに対するクレームであってもコンピューター関連技術を改善する主題に対するクレームはSTEP
2Aの「例外」としてのAbstractアイデアであるとは言えない。ソフトウェアはハードウエアと同様にコンピューター関連技術に非抽象的な改善をもたらすことが多々あり、クレームがソフトウェアに対するものであるからといって自動的にAbstractアイデアではない。
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然るに、101条適格性の判断において、審査官はコンピューター関連技術に改善する主題に対するクレームをSTEP
2Aの「例外」としてのAbstractアイデアではないと判断し、STEP2BのAdditional
Elementの特定を省くという審査をしてもよい(STEP2Bをスキップできる)。
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USPTOの審査ガイダンス(2014年12月)の101条審査に関わるフローチャート
(*1) Judiciary recognized
exception –
判例法で保護適格性を認められていない主題(自然現象、自然法則、抽象的なアイデアなど)
(5) LINKS |