Ariad v. Eli Lilly & Co.

Ariad Pharmaceuticals, Inc. v. Eli Lilly & Co., 560  F.3d 1366

Fed Cir. 2009

 

CAFC Granted en banc review on 

112 (1) Written Description Requirement

August 21, 2009

 

Summarized by Tatsuo YABE

On August 26, 2009

   

 

 2009年8月21日、連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)は米国特許法第112条第1パラグラフの“記載要件”(Written Description Requirement)に関して、大法廷で審理することに同意を示しました。

 

 

1.  Whether 35 U.S.C. § 112, paragraph 1, contains a written description requirement separate from an enablement requirement? and 米国特許法第112条第1パラグラフの「記載要件」は同パラグラフの「実施可能要件」とは明細書の開示に対する別の要件を付加するものか?
2.  If a separate written description requirement is set forth in the statute, what is the scope and purpose of the requirement? 上記1の答えがYESの場合に、それでは「記載要件」の意図するところは何か? (実施可能要件に、さらにどのような要件が付加されるのか?)

今回、大法廷で審理をすることに至った理由は、CAFC判決の過去の判決で整合性が取れなくなっているという点が最たる理由であります。 CAFC判事の112条第1パラグラフの「記載要件」に対する理解がそもそも異なっていることが明白となってきており、(1) 実施可能要件に対してさらなる厳しい要件を課すものではないとするレーダー判事をメンバーとする判事(グループ)と、(2)クレームの権利範囲に相当する開示が明細書になければクレームを無効とする根拠になると解釈する判事(グループ)とで意見が分かれております。

8月21日から45日以内にAriad社のブリーフ(上訴趣意書)が提出され、それに対するLilly社のブリーフ(反論趣意書)が30日以内に提出されることになっています。

尚、本件の重要さをCAFCは認識しており、(連邦民事訴訟規則第29条の基に)裁判所の友の意見(amicus curie brief)の提出を呼びかけております。

 

注釈:

◇ 112条第1パラグラフの記載要件に対する審査便覧の対応箇所の抄訳は以下のURLを参照ください。

http://www.sankyo-pat.gr.jp/PDF/20081102_text_usp_USC112.pdf

◇ 112条第1パラグラフ

35 U.S.C. 112 Specification.

112条第1パラグラフ

The specification shall contain a written description of the invention, and of the manner and process of making and using it, in such full, clear, concise, and exact terms as to enable any person skilled in the art to which it pertains, or with which it is most nearly connected, to make and use the same, and shall set forth the best mode contemplated by the inventor of carrying out his invention.

発明及びその発明を製造し使用する仕方(manner)や方法(Process)の説明(written description)を、その発明の属する技術分野又は最も近い関係にある当業者であれば誰でもその発明を製造し、使用することができる(enable)ように、充分に明瞭、簡潔かつ正確な用語で明細書を記載しなければならない、さらに、明細書には発明を成した発明者が最良と考える実施形態(best mode)を記載しなければならない。

 

(1) US Patent Related 

(2) Case Laws 

(3) LINKS

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