懲罰規定関連判決



 Halo v. Plus (Supreme Court: June 13, 2016) 
284条の賠償額増額の発動基準(地裁裁判官に与えられた裁量権):
最高裁は、米国特許法284条に基づく懲罰規定(所謂上限3倍賠償)の発動の基準に関して判示した。Seagate判決(2007年のCAFC大法廷判決)で判示された284条の賠償額増額の発動基準(主観要件と客観的要件: Subjective knowledge & Objective recklessness)は全面的に否定された。即ち、地裁裁判官に与えられた裁量権の行使に適切な自由度があることが確認された。今回の判決は、285条の発動(弁護士費用の負担)に関する2014年のOctane判決及びHighmark判決からある程度予想された。要は、条文に特定の規定がない限り地裁裁判官に与えられた裁量権の行使はある程度の自由度が認められるということだ。とはいえ裁判官がきままに発動できるというほど安易なものではないと注意を喚起している。