Intervening Right 関連判決



 Marine v. HemCon (Fed. Cir. en banc: 2012-03-15)
再審査におけるIntervening Rights:
米国特許においてIntervening Rightsという用語は、通常252に基づく再発行出願(特許発行後2年以内のBroadening Reissue)によって権利範囲が拡大された場合に、権利範囲の拡大によってのみ侵害となった第3者の行為(クレームが拡大される前は非侵害)を特許再発行後も一定の範囲で許容しようとする米国特許法252条の規定に基づく権利である。再審査においてはクレームの権利範囲を部分的であっても拡大することはできないので再発行出願におけるIntervening Rightsの考え方とは性質を異にする。今回、大法廷判決(6:4)によって、307(b)Intervening Rightsの意味合いが説示された。即ち、再審査によってクレームが減縮補正された場合には (減縮補正された後も第3者の行為が侵害と認定されたとしても) 再審査以前の侵害行為に対する損害賠償を免責するという侵害者にとって非常に有利な権利である。この法理の考え方は、再審査によってクレームが減縮補正されるということは再審査前、即ち、減縮補正前のクレームは無効であったと解釈できる、依って、無効な特許クレームの権利範囲を侵害する行為はそもそも損害賠償の対象とならないという考え方である。