■LKQ v. GM CAFC大法廷判決 - 2024-05-21
CAFC大法廷は意匠の自明性判断に適用されてきたRosen-Durling テストを覆しUtility 特許と同じく103条と1966年のGrahamテストとした。
■Ex
Parte Zhang: AIA 102(b)(1)(B) novelty Exception - PTAB 2021-07-13
AIA102条(b)(1)(B)項の例外規定(意匠特許:“design patent”):
2011年に成立したAIA米国特許改正法で特に新規性に関わる条文が大きく改訂された。所謂、「先発明主義」から「先願主義」への移行である。ここでAIA102条(b)項は新規性喪失の例外規定であるがその中でもAIA102条(b)(1)(B)項 の例外規定が活用された事案は少ない。特にその例外規定において、特許権者(本件はdesign patent)による有効出願日前の諸外国(米国以外)での特許出願の発明に対応する製品の販売日を証明することで有効出願日と販売日の間の先行技術文献の地位を否定した事案は少ない。本審決においてこの稀な事例(AIA-102(b)(1)(B))が示された。
■ Campbell Soup
v. Gamon Plus - Fed. Cir. 2021-08-19
米国意匠特許(Design Patent)の自明性判断の法理を再確認:
即ち、Utility特許の自明性判断基準と同様に1966年最高裁Graham判決のGrahamテスト[1]-[4]の項目を考慮に入れて判断する。然し、Grahamテストの[1]-[3]の項目を検討する際にはDurlingテスト(Durling
v. Spectrum: Fed. Cir. 1996)を用い、当業者はデザイナーが引例同士を組み合わせることでクレームされた意匠と全体として同じ印象を与えるか否かで判断する。尚、Grahamテストの[4]二次的考察事項はUtility特許と同様に挙証の対象となる製品とクレームとのNexus(緊密な関連性)の有無を判断する。
■ Samsung v.
Apple Inc. (Supreme Court: December 6, 2016)
デザイン特許侵害の損害賠償額の算定(289条):
地裁で、SamsungのスマートフォンはAppleの3件のデザイン特許を侵害しているとし、Samsungに399Millionドル(約440億円:\110/$)の損害賠償額の支払いを命じた。損害賠償額の算定に際しSamsungのスマートフォン(侵害品)の総売り上げから生じる総利益を基礎とした。Samsungは、侵害の対象”article
of manufacture”となるのはスマートフォン全体ではなく、その前面、或いは、スクリーンであり、損害賠償の対象を限定するべきであると主張したが、Samsungのスマートフォンはその部品を本体と分離して販売されることはないという理由でCAFCはSamsungの主張を否定した。依って、CAFCは地裁の判決(侵害と損害賠償額)を支持した。