■ Stanford v. Roche (Supreme Court: June 6, 2011)
Bayh-Dole法(政府補助による特許権の帰属):
今回の事件はBayh-Dole法による発明(HIVウイルスの血中濃度を測定する手法に関する発明)の帰属が問題となった。連邦政府による財政支援の基に発明がなされた場合に、Bayh-Dole法(1980年成立)によって、その発明に対する権利が発明者から自動的に連邦政府との契約者であるStanford大学に移譲されるのか否かが争われた。最高裁の多数意見(7:2)では、連邦政府の支援で生じた発明であっても当該発明は発明者に帰属するというのが大原則であり、Bayh-Dole法はその原則を変えるものではない。連邦政府との契約者(Stanford大学)に権利を帰属させるためには発明者から書面で譲渡を受けることが必要である。(※ Bayh-Dole法とは連邦政府の支援のもとで生まれた発明の活用を促進するために1980年に成立した法律)