米国特許の品質改善のためPTOから提案事項 (パブリックコメント3月15日まで受け付け) (審査を促進することと特許成立したクレームの権利範囲を明確化し公共への公示機能’Public
Notice Function’を果たす。) Jan.
15, 2012 Summarized
by Tatsuo YABE Jan. 16, 2013
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筆者コメント:
2009年8月13日、就任時の挨拶で、Kappos長官は、PTOの現状の問題を分析・把握し、審査の効率化と審査の品質を上げることと、出願の審査期間を短くすることの重要性を述べた。
Kappos長官の就任前から、出願審査期間を短縮することはPTOにとっての長期目標である。審査官を増員する、或いは、経験のある審査官の定着率を上げるために待遇改善という手法による解決策も継続的講じられてきている。 他にも種々のパイロットプログラムが実施されてきた。 例えば、審判請求前のPre-Appeal
Brief Conference、審査前(第1回目OA前)のインタビュー、また、FINAL後3時間以内の検討で解決できるISSUEはRCEをせずに対応する・・・などのパイロットプログラムが実施され、今も継続している。 これらプログラムはある程度の成果を挙げているものの、より抜本的なポイントに着眼したのが今回の提案であると理解される。 即ち、出願時の出願書類(明細書とクレーム)に所定の様式を適用することを思案している。 今回のPTOの提案事項(以下の項目)に対して関係者(弁理士会など)にコメントを要請し、その後トライする価値ありと判断されればパイロットプログラムを実施する流れである。
取り急ぎ以下表に小職のコメント(★)を追記していますのでさらなるご意見があれば以下のメイルアドレスまで送信ください(3月1日まで):
ローマ字で、やべたつお@yahoo.co.jp
建設的なコメントを頂ければ取り纏めUSPTOに提言させていただきます。
**************PTOの提案事項、以下概要********************
Under “Clarifying the Scope of the Claims,” the Office asks for comments on the advantages and disadvantages of the following practices:
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クレームの権利範囲を明瞭にするための PTOの提案事項 |
右概要 ★小職コメント: |
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1.
Presenting claims in a multi-part format by way of a standardized template
that places each claim component in separate, clearly marked, and
designated fields. For instance, a template may facilitate drafting and
review of claims by separately delineating each claim component into
separate fields for the preamble, transitional phrase, and each particular
claim limitation. |
クレームの記載の形式をプレアンブル、移行句、ボディの構成要素ごとに分離したようなテンプレートを使用する。 ★
賛同できる。但し、メカ、電気関係の発明にしかあまり審査促進の効果はないと思う。 |
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2.
Identifying corresponding support in the specification for each of the
claim limitations utilizing, for example, a claim chart or the
standardized template described above. This practice could be particularly
beneficial where claims are amended or where a continuing application
(continuation, divisional, continuation-in-part) is filed. |
クレームチャートを作成する。 クレームの構成要素と明細書のサポートとを関連付ける。 ★
別途表を作成するのは困難(時間と費用増大する)。 米国出願のためだけに別途時間を要する特別の様式は賛同を得られないだろう。 |
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3.
Indicating whether examples in the specification are intended to be
limiting or merely illustrative. |
明細書の実施例がクレームを限定するものかそれとも単に一例なのかを示す。 ★
殆どの出願において、明細書の実施例は発明の一例にすぎないということになるだろう。現行のプラクティスとしてクレームでMeansを使用することで出願人がその意図(明細書の開示+均等物に減縮解釈する)を示しているという推定が働く。 然るにあまり意味がない。 |
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4.
Identifying whether the claim preamble is intended to be a limitation on
claim scope. |
クレームのプレアンブルがクレームを限定するものか否かを示す。 ★ プレアンブルをクレームの限定事項にするためにはボディでプレアンブルの用語を再度使用することで達成できる。 現行のプラクティスで対応できる。 |
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5.
Expressly identifying clauses within particular claim limitations for
which the inventor intends to invoke 35 U.S.C. 112(f) and pointing out
where in the specification corresponding structures, materials, or acts
are disclosed that are linked to the identified 35 U.S.C. 112(f) claim
limitations. |
112条第6項の解釈を希望する場合にはそれを明示し、明細書の対応する構造、材料、行動を示す。 ★ 日本出願明細書で良くあるように明細書の用語の横に(カッコ表示)でクレームで使用する用語を入れるというプラクティスは有効と思う。 |
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6.
Using textual and graphical notation systems known in the art to disclose
algorithms in support of computer-implemented claim limitations, such as
C-like pseudo-code or XML-like schemas for textual notation and Unified
Modeling Language (UML) for graphical notation. |
コンピューター関連発明の場合にはその構成要素に対応するアルゴリズムを示す。 ★
上記5と同じ。 |
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Under “Clarifying the meaning of claim terms,” the Office would like to receive comments on the following practices:
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クレーム用語の意味合いを明瞭にするためのPTOの提案事項 |
右概要 ★小職コメント: |
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1. Indicating
whether terms of degree—such as substantially, approximately, about,
essentially—have a lay or technical meaning and explaining the scope
of such terms. |
大よそ、約、だいたい、本質的に、などの表現に対する範囲を示す。 ★
正確な数値で「約・・・」の範囲を表示するのは困難となるだろう。 当業者による製作誤差の範囲であるとか、JISの公差の範囲である・・・などの表現となるだろう。⇒ 中国・韓国出願でのプラクティス(略垂直という表現は拒絶されるので明細書に予め、クレームで言う垂直とは当業者による製作誤差を加味した範囲を含むとか、本願発明においてはプラス・マイナス5度の範囲を含むことは明らかで、その前後の値に関しても本願発明の効果を達成できる以上は垂直という用語の意味のの範疇と理解する・・・などを明細書に追記しておく)を学習するのが良いと思う。 |
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2. Including in the
specification a glossary of potentially ambiguous, distinctive, and
specialized terms used in the specification and/or claims, particularly
for inventions related to certain technologies, such as software. |
クレーム・明細書で使用される不明瞭、特殊、独特の用語に関するリスト(対応する意味合いをつけたもの)を明細書に盛り込む。 ★
日本出願明細書のプラクティス(クレーム用語と図面参照符号を列記)を活用することが望ましい。 ★ 欧州出願のプラクティス(クレームの構成要素に対応する図番を入れる)を導入すると審査官が審査しやすい。但し、メカ・電気系以外の発明ではその恩恵は少ないだろう。 |
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3. Designating, at
the time of filing the application, a default dictionary or dictionaries
(e.g., a technical dictionary and a non-technical dictionary) to be used
in ascertaining the meaning of the claim terms. |
出願時に、クレーム用語の意味を理解するために有用な辞書を指定しておく。 ★
可能と思う。 |
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以上ご協力よろしくお願いいたします。
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LINKS
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