USPTO Issued UPDATE for Subject Matter
Eligibility Published
2019-10-17: Summarized
by Tatsuo YABE – 2019-10-20 |
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2019年10月17日、USPTOは本年1月7日に公開された特許保護適格性の改訂版審査ガイダンス(2019
Patent Eligibility Guidance:以下2019-01-PEGと称する[*1])に対するUPDATEを公開した。本UPDATEは、2019-01-PEG公開後に集積されたパブコメをPTOがレビュし補足したものであり、結果的には2019-01-PEGの内容を実質的に変更するものではない。
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即ち、クレームの101条適格性を審査するステップとして2014年のAlice最高裁判決で判示された基準、Aliceパート1(PTOではSTEP2Aと称する)とAliceパート2(PTOではSTEP2Bと称する)で判断する。Aliceパート1ではクレームがJudicial
Exception (abstract idea; law of nature; natural phenomenon)に”directed
to”しているか(Judicial Exceptionに照準を合わせているか)を判断し、Aliceパート2(Aliceパート1でYESの場合)ではクレームが全体としてJudicial
Exceptionを顕著に超えているかを判断する。
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2019-01-PEGによると、PTOのSTEP 2A(Aliceパート1)でクレームされた発明がJudicial Exceptionに”directed to”しているかの判断をProng
1とProng 2に分割し、Prong
1ではクレームにJudicial Exceptionが規定”recite”されているかを判断し、Prong
1でYESの場合にはProng
2でクレームが全体として当該Judicial
exceptionを統合し実用的に適用しているかを判断する。尚、STEP 2A(Aliceパート1)においてはクレームの他の構成要素(Judicial
Exception以外の特徴)が当業者にとって周知、習慣、標準的(well-understood,
routine, conventional)であるか否かは判断しない、その判断はSTEP
2B(Aliceパート2)で行うとした。
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Aliceパート1 USPTOのSTEP
2A |
2019-01-PEG(改訂) |
「クレームがJudicial
Exceptionに”directed
to”しているか否か」 Whether claim is “directed
to” a Judicial Exception? |
Prong
ONE: クレームにJudicial
Exceptionが規定(recite)されているか? Judicial Exceptionとは[i] law of
nature; [ii] natural phenomenon; [iii] abstract idea; 尚、Abstract
Ideaは以下の3つのカテゴリーに分類される: [i] 数学の概念; [ii] 人の相互作用を体系化する手法; [iii] 思考のプロセス; |
Prong
TWO: 上でYESの場合には、クレームがJudicial Exceptionを統合し実用的に応用しているかを判断する。 [Ask whether claim integrates the judicial exception into a
practical application?] Judicial Exceptionを実用的に応用している場合にはクレームはJudicial Exceptionに”directed to”していないと判断し、101条のEligibilityを満たす。 |
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本UPDATEは:
「1」Prong1で使用される”recite”という用語の意味合いは”set forth”又は”described”であると説明した。(要はクレームにJE”Judicial
Exception”が記載されているかで判断する:筆者)
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「2」3つのグループ(Mathematical
Concept: Certain Methods of Organizing Human Activity: Mental Process)に分類されたAbstractアイデアを各グループごとにさらに詳述した。特にCertain
Methods of Organizing Human Activity(人の行動を体系化する手法)に対して判例を基礎とする例示を多く加えた。
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「3」Prong 2の「JEを統合し現実的な適用」とは何か、それをどのように判断するべきかに関する2019-01-PEGの内容を補足した。特に、「JEを統合し現実的に適用」することの主張として、コンピューターの機能を向上させる、或いは、技術分野に向上をもたらすという2019-01-PEGの内容を補足した。即ち、ここで使用される「向上」という用語は従来技術に対しての向上を要求するものではなく発明が関連する技術に対する向上であるということを繰り返し説明した。(そもそも従来技術を向上させるクレームのエレメントは102条及び103条の守備範囲である:筆者)尚、明細書に出願人の発明に関する技術分野における向上(Improvement)が開示されていなければそもそもProng
2で要求される「向上」は存在しない。しかし明細書に技術分野における「向上」に関して当業者が理解できるレベルに説明されており、当該向上を実現するためのエレメントがクレームに存在すればProng
2で要求される「向上: Improvement」があり、依ってProng
2 の判断事項、即ち、「JEを統合し現実的な適用:Integrates
JE Into Practical Application」があると主張できる。
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「4」101条拒絶をする場合に審査官に求められる拒絶理由の記載。101条拒絶をする場合に審査官はクレームの構成要素の何がJEに相当するのか、何がJE以外の構成要素かを特定し、且つ、JE以外の構成要素との兼ね合いでクレーム全体としてJEに実用的な適用がないということを説明しなければならない。ここまでがAliceパート1(PTOのSTEP2A)であり、審査官はさらにAliceパート2(PTOのSTEP2B)において、クレームが全体としてJEを顕著に超えていない、クレームには発明概念が存在しないと判断した理由を説明しなければならない。(本UPDATEでAliceパート2(PTOのSTEP2B)の判断に対しては新たなコメントはしていない。これはPTO長官Iancu氏が昨年にもSpeech[*2]で何度も述べたようにSTEP2Aによってかなり多くの事案において101条判断が明瞭になるのであって、STEP2Bの判断はPTOの権限ではより明瞭化することはできない:筆者)
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以上筆者
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本UPDATEでは以下の項目に関して補足説明をしている:
[I] Step2AのProng 1においてJudicial
Exception(以下JEと称する)を”recite”しているか否かの判断;
[II] 2019-01-PEGで説明したAbstract Ideaのグループ;
[III] Step 2AのProng 2においてJEを統合し実用的に適用しているか否かの判断(Integrates
JE into Practical Application)
[IV] 101条拒絶理由に対する審査官の説明要件
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The
2019 Revised Patent Subject Matter Eligibility Guidance (2019 PEG)
published on January 7, 2019 (84 Fed. Reg. 50), and comments were solicited from
the public.1 Numerous
comments were received, and have been reviewed. Using further explanation and
examples, this update responds to the five major themes from the comments.2
Note, the feedback received
was primarily directed to examination procedures and, accordingly, this update
focuses on clarifying practice for patent examiners. However, all USPTO
personnel are expected to follow the guidance.
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[I] Step2AのProng
1においてJudicial Exception(以下JEと称する)を”recite”しているか否かを判断する
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[I-A] “Recite”という用語の意味:
“recite”という用語は”set
forth”又は”described”という意味である。2019-01-PEGで説明したとおりである。(要は、2019-01-PEGで説明した通り、英単語の”recite (STEP 2AのProng
1の判断)”と”directed to (STEP 2A全体の判断)”の意味合いに着眼し、”recite”はJEがクレームに規定(記載)されているという意味で、”directed
to”はクレームがJEに照準を合わせている・・という意味である:筆者)
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[I-B] 単一のクレームに複数のJEが存在する場合
単一のクレームで複数のJE(例えばAbstract IdeaとLaw
of Nature)が記載(recite)されている場合がある。このような場合のSTEP
2Aの判断はMPEP2106.05「II」に基づき判断する。
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[II] 2019年改訂審査ガイダンスで説明されたAbstract
Ideaのグループ分けに関して
2019-01-PEGでAbstract Ideaを3つのグループ(数学の概念
“Math Concepts”:人の行動を体系化する方法,
“Certain Methods of Organizing Human Activity”;思考のプロセス,
“Mental Process”)に分けて詳述されたが、本UPDATEで各グループに対して以下のように補足した。特に“人の行動を体系化する”というAbstract
Ideaの理解を助長するために例示を増やした(以下参照)。
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[II-A] Mathematical Concepts (数学の概念とは以下を含む)
[i]
Mathematical relationships; [ii] mathematical formulas or equations; [iii]
mathematical calculations
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[II-B] Certain Methods of
Organizing Human Activity(人の行動を体系化する方法)
[i]Fundamental Economic Practices
or Principles;
例)遠隔地で購入した物品の支払いをすること;
Inventor Holdings, LLC v. Bed
Bath & Beyond, Inc. ;
例)郵便物の概観に物品に対応するマーキングをすること;Secured
Mail Solutions LLC v. Universal Wilde, Inc. ;
例)表示された市場情報に基づき購入手続きをすること;Trading
Technologies Int’l, Inc. v. IBG LLC;
[ii] Commercial or Legal Interactions;
例)取引の履行を保証すること(契約);buySAFE,
Inc. v. Google, Inc.;
例)保険契約に基づく保険手続きの遂行;Accenture
Global Services GmbH v. Guidewire Software, Inc.;
例)非課税での不動産の交換;Fort
Properties, Inc. v. American Master Lease LLC;
例)当事者間の和解(arbitration);In re Comiskey;
例)取引として宣伝する行為;Ultramercial,
Inc. v. Hulu, LLC;
例)オファーを基礎とする料金を最適化すること;OIP
Techs., Inc. v. Amazon.com, Inc.;
例)販売組織またマーケティングの会社を構造化すること;In
re Ferguson;
例)自動車購入時にディーラーと顧客との間で金銭の借入手続きをすること;Credit
Acceptance Corp. v. Westlake Services;
[iii] Managing Personal Behavior or
Relationships or Interactions Between People
例)ダイスゲームの遊び方の決め事;In
re Marco Guldenaar Holding B.V.;
例)選挙、投票の確認、表作成のために投票結果を提出すること;Voter
Verified, Inc. v. Election Systems & Software LLC;
例)頭の形状とのバランスを考えて髪方を決定すること;In
re Brown;
例)投資リスクをヘッジする各種指示;
Bilski v. Kappos;
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[II-C] Mental Processes
現実的に判断して人の思考プロセスで実行ができないクレームの限定事項はJEのmental processの範疇ではない。しかし観察、評価、判断、意見などいわゆる人の思考プロセスの中で成しえるクレームの限定事項はmental
processの範疇にはいる。
さらに人の思考のプロセスをコンピューターによって実行するようにクレームされていたとしてもクレームにmental
processがreciteされていると判断しても良い。(言い換えるとコンピューターを介在するだけでmental
processがそうでなくなるわけではない:筆者)
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さらに、補助的にペンと紙(簡単な筆記具)を用いて人の思考プロセスで成しえるクレームの限定事項はmental
processの範疇にはいる。
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[III] Step 2AのProng 2においてJE (Judicial Exception)を統合し実用的に適用しているか否かを判断する
(Evaluating Whether A Judicial Exception is Integrated into A Practical
Application at PRONG 2 of STEP2A)
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[III-A] Integration into
a Practical Application (JEを統合し実用的に適用する)
2019-01-PEGで明瞭になったようにJEをRecite(記載)しているというだけでクレームがJEにdirected toしていることにはならない。STEP
2AのProng 2の判断においてクレームがJEをReciteしているとしてもクレームが全体としてJEを統合し現実的に適用(応用)しているのであればクレームはJEにdirected to しているとはならない。即ち、STEP2AのProng
2はJEにdirected toしているクレームとJEにdirected toしていないクレームとを識別する役割をする。
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However,
mere recitation of a judicial exception does not mean that the claim is
“directed to” that judicial exception under Step 2A Prong Two. Instead,
under Prong Two, a claim that recites a judicial exception is not directed to
that judicial exception, if the claim as a whole “integrates the recited
judicial exception into a practical application of that exception.”
distinguishes claims that are “directed to” the recited judicial exception
from claims that are not “directed to” the recited judicial exception. Prong
Two thus distinguishes claims that are “directed to” the recited judicial
exception from claims that are not “directed to” the recited judicial
exception. Prong Two thus
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このように、本UPDATEは2019-01-PEGで述べた101条の保護適格性判断基準(即ち、MPEP2106(III))を変えることはない。
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どのような場合にSTEP
2AのProng2 を満たすか(JEを統合し現実的に適用する)という例はMPEP2106.05(a)-(c);
MPEP2106.05(e)-(h)を参照のこと。
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例えば、クレームの他の構成要素(JE以外)がコンピューターの機能を向上(Improvement)する、或いは、他の技術又は技術分野に向上(Improvement)をもたらすのであれば、クレームはJEを統合し現実的に適用しており、JEに意味のある限定(meaningful
limitation)を与えることになる。この時点でSTEP
2Aの検討は終わる(即ち、101条適格性がある)。
For
example, if the additional limitations reflect an improvement in the functioning
of a computer, or an improvement to another technology or technical field, the
claim integrates the judicial exception into a practical application and thus
imposes a meaningful limit on the judicial exception. No further analysis is
required. The claim is eligible at Step 2A.
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クレームの他の構成要素(JE以外)をJEに対応する構成要素と分離して判断するべきではない。クレームの他の構成要素がJEに対応する構成要素とどのように関連(相互作用)し、クレーム全体としてJEを統合し現実的に適用しているかで判断する。
The
additional limitations should not be evaluated in a vacuum, completely separate
from the recited judicial exception. Instead, the analysis should take into
consideration all the claim limitations and how those limitations interact and
impact each other when evaluating whether the exception is integrated into a
practical application.
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[III-B] An Improvement in
the Functioning of a Computer or an Improvement to Other Technology
or Technical Field (コンピューターの機能或いは技術分野を向上する)
JEが統合され現実的な適用があるか否かを判断するのに重要な検討事項は、クレームされた発明がコンピューターの機能或いは他の技術に向上(improvement)をもたらすか否かである。判例法においてこの判断の仕方に対して明白な基準を判示していない。しかし端的にいうならばまずは(1番目に)明細書に発明が向上(improvement)をもたらすことを当業者が理解できるレベルに記載されているかを判断する。その際に明細書でどのように向上(Improvement)されるのかが説明されておらず、向上(Improvement)するという結論のみの記載の場合には、クレームが技術分野に向上(Improvement)をもたらすと判断するべきではない。2番目に、明細書に技術分野での向上(Improvement)が説明されている場合にクレームが当該向上(Improvement)を反映しているかを判断しなければならない。即ち、明細書で説明された向上(Improvement)をもたらす発明の構成要素がクレームに記載されていなければならない。
An
important consideration to evaluate when determining whether the claim as a
whole integrates a judicial exception into a practical application is whether
the claimed invention improves the functioning of a computer or other
technology. The courts have not provided an explicit test for this
consideration. However, MPEP 2106.04(a) and 2106.05(a) provide a detailed
explanation of how to perform this analysis. In short, first the specification
should be evaluated to determine if the disclosure provides sufficient details
such that one of ordinary skill in the art would recognize the claimed invention
as providing an improvement. The specification need not explicitly set forth the
improvement, but it must describe the invention such that the improvement would
be apparent to one of ordinary skill in the art. Conversely, if the
specification explicitly sets forth an improvement but in a conclusory manner
(i.e., a bare assertion of an improvement without the detail necessary to be
apparent to a person of ordinary skill in the art), the examiner should not
determine the claim improves technology. Second, if the specification sets forth
an improvement in technology, the claim must be evaluated to ensure that the
claim itself reflects the disclosed improvement. That is, the claim includes the
components or steps of the invention that provide the improvement described in
the specification. The claim itself does not need to explicitly recite the
improvement described in the specification (e.g., “thereby increasing the
bandwidth of the channel”).
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ここで注意すべきは2019-01-PEG以前の審査ガイダンスにおいては、「向上(improvement)」という用語を従来技術との対比における向上(Improvement)という意味合いと説明していた。しかし2019-01-PEGで説明したSTEP 2Aで判断する「向上(Improvement)」とは良く知られ、ルーチンで、且つ、一般的な(well
understood, routine, and conventional)技術であるか否かを考慮に入れることなく判断するということを明示した。即ち、クレームされた発明が関連する技術に向上(Improvement)をもたらすかのみで判断する。
The
improvement analysis under the 2019 PEG differs in some respects from prior
guidance. Under prior guidance, at both Steps 2A and 2B, the improvements
analysis considered whether the claimed invention improves upon conventional
technology. Under
the 2019 PEG, in contrast, the “improvements” analysis in Step 2A determines
whether the claim pertains to an improvement to the functioning of a computer or
to another technology without reference to what is well-understood, routine,
conventional activity. That is, the claimed invention may integrate the judicial
exception into a practical application by demonstrating that it improves the
relevant existing technology although it may not be an improvement over
well-understood, routine, conventional activity.
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さらに注意すべきはJEの範疇での向上(Improvement)はSTEP 2Aで言う「向上(Improvement)」とはならない。例えば、証券取引業者により多くの情報を提供し取引をより円滑に行う手法を規定したクレームはビジネス手法及び商取引を向上(Improvement)するかもしれないが、コンピューターの機能或いは技術に向上(Improvement)をもたらすものではない。Trading
Technologies v. IBG LLD (Fed. Cir. 2019)
However,
it is important to keep in mind that an improvement in the judicial exception
itself (e.g., a recited fundamental economic concept) is not an improvement in
technology. For example, in Trading Technologies Int’l v. IBG LLC, the
court determined that the claim simply provided a trader with more information
to facilitate market trades, which improved the business process of market
trading but did not improve computers or technology.
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尚審査官は問題となる「向上(Improvement)」の質(向上(Improvement)の度合い)を検討し真に向上(Improvement)があるか否かを判断する必要はない。審査官が、向上(Improvement)がないと判断すればそれに対する反証の責任は出願人の方にシフトする。出願人は応答書(Response)或いは規則132条に基づき当業者であれば「向上(Improvement)」が記載されていると理解するという証拠を提出し101条拒絶に反論することが可能である。
Generally,
examiners are not expected to make a qualitative judgment on the merits of the
asserted improvement. If the examiner concludes the disclosed invention does not
improve technology, the burden shifts to applicant to provide persuasive
arguments supported by any necessary evidence to demonstrate that one of
ordinary skill in the art would understand that the disclosed invention improves
technology. Any such evidence submitted under 37 C.F.R. § 1.132 must establish
what the specification would convey to one of ordinary skill in the art and
cannot be used to supplement the specification.74 For example, in response to a
rejection under 35 U.S.C. § 101, an applicant could submit a declaration under
§ 1.132 providing testimony on how one of ordinary skill in the art would
interpret the disclosed invention as improving technology and the underlying
factual basis for that conclusion.
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[III-C] Applying or Using a JE to Effect a Particular Treatment of Prophylaxis for a Disease or Medical
Condition
クレームがJEを病気又は病状に対する特定の治療或いは予防に適用しているか否かを判断する場合には以下を検討すること:
- 対象となる病気或いは予防が特定されていること;
- 治療或いは予防に関わるクレームの文言(限定事項)がJEに実体的に関連していること;
- 治療或いは予防に関わるクレームの文言(限定事項)はJEに対して単に追記したExtra-Solution Activityであってはならない(JEに対して意味のある限定”impose meaningful
limitation”を負荷しなければならない)
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[IV] 101条拒絶をする場合に審査官に求められる拒絶理由の記載– Requirements of a Prima Facie Case
101条拒絶をする場合に審査官は以下の項目ごとに拒絶理由を述べなければならない:
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第1:101条拒絶をする場合にはクレームされた構成要素の何がJEかを特定し、何故それがJEなのかを説明しなければならない;
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第2:101条拒絶をする場合に、クレームの他の構成要素(JE以外)を特定し、何故クレームが全体としてJEを統合し現実的な適用となっていないかを説明しなければならない;1)JE以外の構成要素がないという説明;又は、2)他の構成要素を個々に、その組み合わせとして考慮しクレーム全体としてJEを統合し現実的な適用となっていないという説明
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第3(最後に):審査官はクレームが全体としてJEを顕著に超えると判断できない理由を説明しなければならない。例えば、クレームの他の構成要素がwell-understood;
routine and conventionalと結論づけるには、そう判断する証拠をBerkheimer判決後(Berkheimer
v. HP Inc. Fed. Cir. 2018-02-08)の審査官へのメモランダム([*3]
2018-04-19:
Memorandum in view of Berkheimerに沿って提示しなければならない;
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References:
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[*1]
2019年1月7日に公開された101条審査ガイダンス(改訂バージョン:2019-01-PEG)
http://www.tatsuoyabe.aki.gs/2019%20Revised%20Eligibility%20Guidance%202019-01-07.htm
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[*2] Aliceパート1に対するPTO長官(Iancu氏)のSpeech(2018年9月24日)
http://www.tatsuoyabe.aki.gs/Remarks%20on%20101%20by%20Iancu_2018_09_24.htm
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[*3]
Berkheimer判決後のPTOのメモランダム(2018年4月19日公開)
4月2日のメモランダムに続き、USPTOはBerkheimer判決(2018年2月8日)に鑑み審査官にメモを通知した。Berkheimer事件においては、101条判断においてクレームのある構成要素が当業者にとって当然のごとく理解され、ルーチンで、一般的な行為
(“well-understood, routine, conventional” activity)であるか否かに関して論争がある場合、それは事実判断であり、略式裁判で判断してはならないとした。
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本メモランダム(2019-04-19)において審査官が、クレームの構成要素を
well-understood, routine, conventionalであると結論づける場合には、当該構成要素が、問題となる発明が関連する技術分野において広く行き渡っている、或いは、一般的に使用されている場合のみとすることを強調している。即ち、102条の基に刊行物となるからという理由のみで”well-understood,
routine, conventional”なものとは限らないことを言及している。例えば、102条の基にはドイツの大学の図書館に眠る唯一の論文であっても刊行物となる、しかし、それは
well-understood, routine, conventionalなものではない。さらに審査官がOfficial
Notice(刊行物など証拠を一切特定せずに当然のことであると行政庁として通知すること:例、富士山は3000メートルより高い:筆者)を宣言する場合には、それなりの知見に基づき適切と思える場合にのみ実行すること。
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