How to Deal with Obviousness Rejection in view of New MPEP2141-2145; KSR Sup. Ct. Decision; and PTO's Guideline
米国特許自明性に対する有効な反論
2007年4月30日のKSR最高裁判決及び同年10月10日から施行された自明性拒絶のガイドラインに鑑みてMPEP2141〜MPEP2145は大幅に改訂された。 同改訂されたMPEPの当該セクションの内容を検討するとともに、新旧バージョンで比較し、自明性拒絶に対する有効な反論の仕方を考察した。
Tatsuo YABE on
October 13, 2008
|
(A) KSR
v. Teleflex (Supreme Court Decision) 最高裁判決
合衆国最高裁判決
2007年04月30日
破棄差し戻し
2007年4月30日、合衆国最高裁判所によるKSR事件の判決が出ました。 CAFCの判決は破棄されました。 即ち、自明性の判断において、引例の組み合わせに対するTSM(teaching, Suggestion, Motivation)の存在が証明されることなく自明と判断されないとしたCAFCの判示は否定されました。 即ち、TSMテストを厳格に(硬直的に)適用することは最高裁のこれまでの判決と矛盾するとし、TSM以外にも当業者にとっての一般知識・常識が参酌され、自明性の判断が行われることが判示されました。
注意: TSMテスト(引例を組み合わせて自明性拒絶をするときに当該組み合わせに対するTeaching, Suggestion, Motivationの存在を判断するテスト)
今回の最高裁判決を一言で述べるなら「引例を組み合わせて自明性拒絶をするときにTSMテストを柔軟に適用することは否定されないが、当業者の一般知識および常識も考慮に入れられなければならない。」である。 本最高裁判決はMPEP2143の「一応の自明性拒絶」の要件を確認したにすぎないとも言えよう(以下第1要件参照)。
2143:
Basic Requirement of a Prima Facie Case of Obviousness |
審査便覧MPEP 2143
(※) 『一応の自明性拒絶』の要件
|
To
establish a prima facie case of obviousness, three basic criteria must
be met. First,
there must be some suggestion or motivation, either in the references
themselves or in the knowledge generally available to one of ordinary
skill in the art, to modify the reference or to combine reference
teachings. Second,
there must be a reasonable expectation of success. Finally,
the prior art reference (or references when combined) must teach or
suggest all the claim limitations. |
審査官が『一応の自明性拒絶』をするときには以下の要件を満たさなければならない:
第1要件: 先行技術を改良、あるいは先行技術文献の教示内容を組み合わせるということに対する「示唆」或いは「動機付け」が先行技術文献、或いは、当業者の知識で一般的に周知でなければならない。
第2要件: 上記改良或いは組み合わせが成功するということが先行技術によって合理的に期待できるものでなければならない;
第3要件: 先行技術文献(或いはそれらが組み合わされるとき)がクレームの構成要素の全てを教示或いは示唆していなければならない。
|
(※)但し、2008年8月18日にPTOのWebsiteで公開されたMPEP(
8th edition: revision 7)でMPEP2143セクションは大幅に改訂された。 上記第1要件、第2要件、第3要件という明示は削除された。 然し、実体的には2143.01;2143.02;2143.03(それぞれ上記第1要件、第2要件、第3要件に対応する)のサブセクションの内容の大部分が修正されることなく残った。 故に、実体的には旧MPEP(2008年8月18日以前のもの)のセクション2143の第1要件、第2要件、第3要件の全てを満たさなければ自明性拒絶は妥当しないという法理は有効である。 但し、KSR最高裁判決に鑑みて、2007年10月10日より施行したPTO審査官のための自明性のガイドライン(自明性拒絶のための7つの例示的な論理根拠:但しそれに拘束されない)の内容に置換された。
***********************************
KSR最高裁判決のキーとなる判示事項及び傍論は以下を含む:
(1) 自明性判断においてTSMテストの適用自体は否定されない(後知恵に基づく分析を回避するためにTSMの存在を確認するのは有効)
(2) 自明性判断においてTSMテストを厳格に硬直的に適用するのは禁止(これまでの最高裁の判決および103条と矛盾する)
( 3) 自明性判断において当業者の一般知識・常識を考慮に入れること; ⇒ 2006年CAFC判決(DyStar事件)で皮肉にもCAFCが既に判示している。
( 4) 今回の最高裁判決は自明性を否定するために相乗効果テスト(Synergy Effect)をクリアすることの必要性を名言していないが、公知の要素の組み合わせによって周知で予期される結果しか出せない場合には自明と判断されるであろうと述べている;
( 5) 当業者にとっての自明性であって、発明者による自明性ではない;
( 6) 当業者とは通常の想像力を備えた人で、ロボットではない;
***********************************
尚、上記したが2008年8月18日公開の新規改訂版MPEPのセクション2143の内容が大幅に改訂された。 特に、セクション2143の前文の箇所が2007年10月10日より施行されたPTO審査官の自明性判断に対するガイドラインで例示された7つの論理根拠に置換された。 然るに、従前であれば(2008年8月18日以前)、出願人は少なくとも、セクションMPEP2143の前文の:
(旧)審査便覧MPEP 2143
(※) 『一応の自明性拒絶』の要件
|
審査官が『一応の自明性拒絶』をするときには以下の要件を満たさなければならない:
第1要件: 先行技術を改良、あるいは先行技術文献の教示内容を組み合わせるということに対する「示唆」或いは「動機付け」が先行技術文献、或いは、当業者の知識で一般的に周知でなければならない。
第2要件: 上記改良或いは組み合わせが成功するということが先行技術によって合理的に期待できるものでなければならない;
第3要件: 先行技術文献(或いはそれらが組み合わされるとき)がクレームの構成要素の全てを教示或いは示唆していなければならない。
|
の第1要件、第2要件、第3要件を根拠として審査官の自明性拒絶に反論するというのが一般的な拒絶通知に対する応答の仕方であった。 何故なら、第1要件、第2要件、第3要件の全てが満たされなければならない(MUST BE MET)と記載されていたからである。 然しながら、新MPEP(2008年8月18日公開)においては、同セクションの前文が以下の内容に置換された:
自明性拒絶をするときの根拠として妥当な理由は以下を含む(以下の理由に制限されることはない);
(A)
周知の方法に基づき先行技術の要素を組み合わせ予想される効果(結果)を得る場合;
(B)
一つの周知の要素に置換することによって予想される効果(結果)を得る場合;
(C)
類似した装置(方法又は製品)を改良するために周知の技術を周知の手法で使用する場合;
(D)
改良の準備が整っている周知の装置(方法、又は、製品)に、既知の技術を適用することによって予想される効果(結果)を得る場合;
(E)
“Obvious to try”― 妥当な成功の可能性をもって、特定され、予想される有限数の中から選択する場合;
(F)
一つの分野における周知の業は、当業者によってその代替案(変更)が予測可能な場合には、設計上の必要性(動機付け)、或いは、市場ニーズ(市場を動かす力)に基づいて、同分野或いは違う分野においてそれを変更し使用することを助長すると考えられる場合;
(G)
先行技術を変更し、或いは、先行技術の教示内容を組み合わせてクレームされた発明に到達するように当業者を導くような教示・示唆・動機付け(TSM)が先行技術にある場合;
従前の3つの要件が「MUST BE MET(満たされなければならない)」から「(A)〜(G)のいずれかを自明性拒絶の根拠としても良い、且つ、これら要件に拘束されることもない、」というように審査官の自明性拒絶の根拠に大きな自由度が与えられたと同時に、自明性拒絶の根拠が曖昧(不明瞭)になったと解釈される。
然しながら、MPEP2143の前文がここまで大きく改訂されたので、一見したところ出願人は、自明性拒絶に対する反論として上記(A)〜(G)の理論根拠に基づき行うべきなのかという疑問が生じる。 然し、2007年10月10日以降、実務的には審査官は自明性判断の理論根拠が上記(A)〜(G)の何れに該当するかということを提示し、自明性拒絶をしてきておらず(もう暫く要Watchingではあるが)、上記ガイドライン(自明性拒絶をサポートする理論根拠)は実質機能しているとは思えない。 但し、実務的に見える傾向としては2007年10月10日近辺、或いはKSR最高裁判決(2007年4月30日以降)より、審査官の拒絶理由の根拠により広い自由度が与えられたということは観察できる。
Prosecutionの実務において、このようなMPEPの重要セクション(自明性拒絶)の大幅な改訂を無視することもできない。 然しながら、改訂された当該セクションが審査官の自明性判断をアシスト(ガイド)するよりは、単に不明瞭な自由度を与えるという効果を奏するのであれば、且つ、実務において審査官が当該セクションを拒絶理由で引用していないのであれば、当該セクションの文言に無用に振り回されるのは実務者として意味が無い。
然るに、今後の実務として自明性拒絶にどのように対応するのが良いかを、該当セクション2141−2145を新旧審査便覧で比較検討し、考察した。
以下にまとめる:
***********************************
***********************************
(B1) 自明性拒絶に対する有効な反論の手法
(1) MPEP2143の前文(※)で列記された自明性判断ガイドラインの根拠(A)〜(G)の内容に振り回されないこと;
(2) 自明性拒絶に対する反論の根拠はあくまでGraham最高裁判決(1966年)で判示された3つの要件に注目すること;
第1反論:
先行技術を変更、あるいは先行技術文献の教示内容を組み合わせるということに対する「示唆」或いは「動機付け」が先行技術文献に存在せず、或いは、当業者にとっても一般知識ではない。
第2反論:
上記改良或いは組み合わせが成功するということが先行技術によって合理的に期待できない;
第3反論:
先行技術文献(或いはそれらが組み合わされるとき)がクレームの構成要素の全てを教示或いは示唆されていない;
(2−1) 第1反論(示唆・動機付けがない)に関して;
当業者が引例1と引例2を組み合わせることを否定、或いは、阻害する証拠を見つけ、それを主張する。
(2−2) 第2反論(成功に対する妥当な期待がない);
上記(2−1)の反論と共通する部分あり。 さらに、本願発明の相乗効果(引例1の効果+引例2の効果より大きい効果)を主張する。
(2−3) 第3反論(全ての構成要素が開示されていない);
今でもこの反論手法は有効。 引例1と引例2とを組み合わせてもクレームの構成要素の全てが現出されないことを主張する。
(3) MPEP2145.10に基づきTeaching Awayの法理を活用する;
上記(2−1)の反論と類似。
(4) 本願発明の意外性(特異性或いは相乗効果)を主張する;
2007年10月10日施行の自明性審査ガイドライン(A),(B),(D)の要件に基づき本願発明の意外性(Synergy効果)を証明する(発明効果の予見可能性を否定する)。
***********************************
***********************************
(B2) 自明性拒絶に対する有効な反論の手法(詳細な検討)
(1) MPEP2143の前文(※)で列記された自明性拒絶の根拠(A)〜(G)の内容に振り回されないこと;
(※2007年10月10日施行の審査官に対する自明性拒絶のガイドライン)
KSR最高裁判決(2007年4月30日)以降の審査官の拒絶理由を観察するかぎりにおいて、自明性拒絶の根拠(A)〜(G)(MPEP2143前文)が引用されたのを筆者は見たことが無い。 言い換えると、審査官自身もこれら根拠がガイドライン(2007年10月10日施行ガイドライン)として与えられたものの、これらを活用していないというのが現実である。 さらに、同MPEP2143のセクションには根拠(A)〜(G)に拘束されることはないと記載されており、審査官が(A)〜(G)以外の根拠で自明性拒絶することを許容している(即ち、従前の拒絶理由の出し方)。 従って、仕事の効率を上げるガイドラインでもない限りは、楽なほうに逃げるというのは人の常である。
(2) 自明性拒絶に対する反論の根拠はあくまでGraham最高裁判決で判示された3つの要件に注目すること;
即ち、審査官の拒絶理由が、第1要件、第2要件、第3要件のすべて満たしているかを考察する。 出願人側の反論として言い換えるなら、以下の文言で反論が妥当かを尋ねてみることである。 何故なら、第1要件、第2要件、第3要件に対応するセクションはMPEP2143.01;02;03として大幅に内容変更されることなく新MPEPに維持されているからである。
第1反論:
先行技術を変更、あるいは先行技術文献の教示内容を組み合わせるということに対する「示唆」或いは「動機付け」が先行技術文献に存在せず、或いは、当業者にとっても一般知識ではない。
第2反論:
上記改良或いは組み合わせが成功するということが先行技術によって合理的に期待できない;
第3反論:
先行技術文献(或いはそれらが組み合わされるとき)がクレームの構成要素の全てを教示或いは示唆されていない;
(2−1) 第1反論(示唆・動機付けがない)に関して;
審査便覧の以下のセクションに出願人側にとって説得性のある反論の仕方が記載されている。 新旧MPEPで内容は大きく変わっていない。
MPEP2143.
01. 2; MPEP2143.
01. 3; MPEP2143.
01. 4; MPEP2143.
01. 5; MPEP2143.
01. 6を参照。
MPEP |
MPEPの該当箇所の要約 |
コメント |
2143. 01. 2 |
2.
Where
the teachings of the prior art conflict, the examiner must weigh the
suggestive power of each reference 二つ以上の引例の教示内容に矛盾がある場合、審査官は、当業者に対して解決策をどの程度示唆しているかのかという各引例の影響力を比較し、どの引例が他の引例の信頼性を格下げしているかを評価しなければならない。
In re Young, 927 F.2d 18 USPQ2d (Fed. Cir. 1991) |
審査官が組み合わせようとする引例1と引例2の開示内容に互いを組合せることを否定する開示があることを主張する。 (以下に示すTeaching Awayの考え方と類似) |
2143. 01. 3 |
3. Fact that references can
be combined or modified “May Not Be” sufficient to establish prima
facie obviousness 先行技術文献を組み合わせることが可能である、あるいは、変更することが可能であるというだけで、そのような組み合わせが当業者にとって予見可能でない場合には、組み合わせによる結果(クレームされた発明)は自明とはならない。 KSR
International Co. v. Teleflex Inc., (2007) |
引例1と引例2とを組み合わせることが当業者にとって予見できないことを主張する。 この反論で審査官を説得するには、引例1と引例2とを組み合わせることが引例1あるいは引例2の開示、或いは、は当業者の知識で否定されていることを証明することが必要。 |
2143. 01. 4 |
4. Mere
Statement that claimed invention is within the capabilities of one of
ordinary skill in the art is not sufficient by itself to establish prima
facie obviousness クレームの構成要素を教示する拒絶引例は当該技術分野において個々に周知であるので、引例を改良しクレームされた発明の構成要素を満たすことは当該発明がなされる前に当業者の技術範疇に十分属していたであろうという理由は、(引例の教示内容を組み合わせることに対する客観的な理由なくして)一応の自明性を成立させるのに不十分である。
Ex parte
Levengood, 28 USPQ2d 1300 (Bd. Pat. App. & Inter. 1993) |
審査官が引例1と引例2とを組み合わせることの根拠(理由)を一切説明していないときにはこの反論を使える。 しかし、次の拒絶通知で審査官は何らかの根拠を提示してくる可能性が大なので、結局上記の反論のように引例1と引例2の組合せの理不尽さ証明できないと自明性拒絶を回避できない。 (以下に示すTeaching Awayの考え方と類似) |
2143. 01. 5 |
5.
The
proposed modification cannot render the prior art unsatisfactory for its
intended purpose もし提案される改良が引例に実施された場合に引例の発明がそのもの本来の目的に対して機能しなくなる場合には、そのように引例を組み合わせる示唆あるいは動機が存在しないということである。 In re
Gordon, 733 F.2d 900, 221 USPQ (Fed Cir. 1984) |
引例1と引例2を組み合わせることによって、何れかの引例の発明の目的が否定されることを主張する。 (以下に示すTeaching Awayの考え方と類似) |
2143. 01. 6 |
6. The
proposed modification cannot change the principle of operation of a
reference 提案される改良あるいは組み合わせによって引例発明の操作原理が変更される場合には、同引例の教示内容は自明性拒絶を成立する根拠として不十分である。
In re Ratti, 270
F.2d 810, 123 USPQ 34 (CCPA 1959) |
引例1と引例2を組み合わせることによって、何れかの引例の発明の本質が変更・否定されることを主張する。 (以下に示すTeaching Awayの考え方と類似) |
(2−2) 第2反論(成功に対する妥当な期待がない);
審査便覧の以下のセクションに出願人側にとって説得性のある反論の仕方が記載されている。 新旧MPEPで内容は大きく変わっていない。
MPEP2143.
02. 2を参照
MPEP |
MPEPの該当箇所の要約 |
コメント |
2143.
02. 2 |
2.
At least some degree of predictability is required;
Applicants may present evidence
showing there was no reasonable expectation of success 自明性拒絶をするときに、(引例の組み合わせに対する:筆者追記)成功の完璧なる見込みが要求されることはない、しかし、成功に対する幾分かの見込みが必要である。 従って、(引例の組み合わせが:筆者追記)成功するという合理的な見込みがないということを示す証拠を根拠に非自明性を主張することができる。 In re
Renehart, 531 F.2d 1048, 189 USPQ (CCPA 1976) |
引例1と引例2を組み合わせて本願発明の効果を得られないということを主張する。 上記反論の説得力を増強するには本願発明のSynergy
Effect(相乗効果)を証明することが効果的である。 要は、ただ単に引例1と引例2とを組み合わせても本願発明のような意外な効果を得られるものではないことを証明する。 MPEP2143.01で言及されている反論の仕方、及びMPEP2145の箇所で述べられているTeaching Awayの法理を活用することも有効である。 |
(2−3) 第3反論(全ての構成要素が開示されていない);
審査便覧の以下のセクションに出願人側にとって説得性のある反論の仕方が記載されている。 新旧MPEPで内容は大きく変わっていない。
MPEP2143.
03を参照
MPEP |
MPEPの該当箇所の要約 |
コメント |
2143.
03 |
引例に対するクレームの特許性を判断するには、クレームの全ての文言を考慮されなければならない。 In re
Wilson, 424 F.2d 1382, 1385, 165 USPQ (CCPA 1970) |
単純だがこの反論は今でも最も有効な反論の手法である。 |
(3) Teaching Awayの法理を活用する;
審査便覧の以下のセクションに出願人側にとって説得性のある反論の仕方が記載されている。 新旧MPEPで内容は大きく変わっていない。
MPEP2145.10.D.2; MPEP2145.10.D.3; を参照
MPEP |
MPEPの該当箇所の要約 |
コメント |
2145.10 |
References
Teach Away from the Invention or Render Prior Art Unsatisfactory for
Intended Purpose 以下の項目にプラスして、MPEP2141.02(クレームと相反する記載を含め、引例の全体を検討しなければならない)とMPEP2143.01(提案される変更は先行技術の本来の目的を不成功に導く、あるいは、引例の操作原理を変更してしまう)を参照のこと。 |
|
2145.10.
D. 2 |
References
cannot be combined where reference teaches away from their Combination 組み合わせに反対することを開示した先行技術を組み合わせるのは不適切である。 In
re Grasselli, 713 F.2d 218 USPQ (Fed. Cir. 1983) |
左記の通り: 引例1と引例2とを組み合わせることを阻害する記載が引例1、引例2の何れかの箇所に記載されている場合、その箇所を指摘する。 ⇒MPEP2143.01.5及びMPEP2143.01.6と類似 |
2145.10.
D. 3 |
Proceeding
Contrary to Accepted Wisdom is Evidence of Nonobviousness 引例の全体を検討しなければならない、そして、その引例で妥当とされる知恵(知識)に相反するアプローチをするということは非自明の証拠である。 In
re Hedges, 783 F.2d 228 USPQ685 (Fed. Cir. 1986) |
左記の通り: 本願発明の技術思想が引例1或いは引例2の技術思想と相反する場合に有効(要は、本願発明の特異性・ユニークさを主張)。 |
(4) 本願発明の意外性(特異性或いは相乗効果)を主張する;
MPEP2143の前段(2007年10月10日施行の審査ガイドライン)に列記されている自明性拒絶の7つの根拠の(A)、(B)、(D)に共通する特徴として「予想される結果を得る場合」の自明性拒絶の妥当性の根拠としている。 即ち、出願人の反論として本願発明の意外性・特異性をSynergy効果(引例1+引例2で得られる効果より大きな効果を本願クレームの特徴で得られること: 本願発明の効果 > 引例1の効果 + 引例2の効果)を証明することが有効である。
以上
***********************************
***********************************
矢部達雄
(3) LINKS
|