USPTO's Proposed Rules for Implementing Patent Reform

 

Under the America Invents Act

 

February 28, 2012

Summarized by Tatsuo YABE

 

American Invents Actに対応する施行規則(案)

 

 

2011916日に成立したAIA (America Invents Act)に対応する施行規則(案)が米国特許庁で順次整備されており、2012210日時点で以下の施行規則(案)が米国特許庁のHPで公開されています。 残すところ先発明者による先願主義(米国特許新法条文102条と103条)に関わる施行規則()のみとなりました。 同規則()も本年の7月ごろには公開される予定です。

 

(1) Best Mode;

2011920日、USPTOは審査官に対して、審査に際しては112条第1項のベストモード要件は依然として残る(侵害裁判における被告側の無効の抗弁にはならない)ということを通達(Memorandum)した。

 

(2) Inter Parte Reexam;

2011916日〜2012915日(2012916日からIPR “Inter Partes Review”が開始される)の期間において、当事者系再審査請求が認められるか否かをUSPTOが判断する基準がSNQ(特許性に関わる実質的に新規な疑義が存在するか否か)からReasonable Likelihood(当事者系再審査の請求人が無効を主張するクレームの少なくとも一つが無効になるという合理的な確からしさが存在すること)に変更される。

 

(3) Prioritized Examination (Track 1);

2011926日以降の米国特許出願時(Utility Patent**Plant Patentに適用されるが、意匠出願には適用されない)に通常の出願料金に、4800ドルの追加料金を支払うことによって、無条件で早期審査を実施する。 基本は1年(12か月)以内に審査結果(許可通知、最終アクション)を出す。 昨年度予想したより早期審査の数が少なかったせいかUSPTORCE後にも早期審査(Track 1)の申請を許可し(20111219日施行)、且つ、201229日には4800ドルの料金を4000ドルに値下げすることを提案している。 ** 継続出願、分割出願、一部継続出願にも適用可能、Reissue出願には適用不可。

 

(4) Inventor’s Oath or Declaration;

本改正法は2012916日及び同日以降の米国出願に適用される。

発明者が特定でき全発明者より宣誓書に署名を貰える場合には現行の手続きと大差なし。 但し、譲渡書に発明者が宣誓する文書を盛り込むことが可能となる。 拠って、譲渡書と宣誓書の2種の書面にサインする必要がなくなる。 発明者の国籍を記入する必要がなくなる。 発明者からサインを貰えない状況にある場合には現行の手続きよりもやや容易に宣誓書を作成できるようになる。

 

(5) Citation of Prior Art (Inventor’s Statement) in Patent File; 

特許有効期間中であれば何時でも、何人も、特許権者が特許クレームの解釈に関して特許庁或いは連邦裁判所に対して述べた意見(情報)を当該特許のファイルに記録を残すことができる。 当該特許ファイルに記録されたクレーム解釈に対する特許権者の意見(情報)は、(1)304条に基づく査定系再審査;(2)314条に基づく当事者系レビュー; 及び、(3)324条に基づく異議申立てにおいてのみ利用できる。 

 

(6) Third Party Submission of Prior Art for Patent Application;

本改正法は2012916日に施行される。 即ち、同日、或いは、それ以降に以下の時期的要件を満たす米国出願に適用される。 

従前の2ヶ月という限られた期間が拡張された、即ち、次の(1)と(2)の早い方の日までであれば情報提供可能、(1)許可可能通知の前、或いは、(2)出願公開後6か月以内か第1回目の拒絶通知の遅い方。 さらに、情報提供者は簡潔な説明(提出する情報とクレームとの関連性)を提出しなければならない(従前は関連性に関わる説明は提出できなかった)。

 

(7) Supplemental Examination;  

補助審査制度は、2012916日以前に成立していた特許、同日、又は、同日以降に成立する全ての特許に対して適用される。

補助審査は特許権者が特許性に関わる情報を特許庁に、考慮、または、再考慮、或いは、既に特許庁に提出した情報の内容を訂正し、審査してもらうための手続きである。 補助審査の対象となる根拠条文は102条(新規性)、103条(進歩性)に限定されず101条、112条も含む。 同手続きにおいて特許庁で検討された情報を基に、被疑侵害者が権利行使不能の抗弁をすることを禁止するというメリットが特許権者に与えられる。 従って、補助審査の活用法の一例としては、特許権者がIDS提出不備の事実を訴訟前に治癒することができる。 尚、補助審査においてSNQ(特許性に対する実質的に新たな疑義)が存在すると判断されると査定系再審査が開始される。

 

(8) Guide for Proposed Trail Rules (IPR; PGR; Derivation Proceeding)

施行規則42条サブパートA

PTOは、以下の4つの係争手続きに共通するトライアルルール(規則案)を設定した:

(i) IPR(当事者系レビュー);

(ii) PGR(付与後異議申立て);

(iii) CBMP(ビジネス手法特許に関する移行期の対応);

(iv) Derivation Proceeding(冒認手続き);

PTO現行の審判部(Board of Patent Appeal and Interference: BPAI)はPatent Trail and Appeal Board (PTAB)となり、そこに技術と法律に熟知した行政法判事(裁判官)を配置する。 特許出願における審判、再審査に対する審判、冒認手続き、及び、IPR手続き、及び、PGR手続きを担当する。 少なくとも3人の行政法判事の下で審理をする。 審理においては特段の規定がない限りにおいて、「証拠の優越性」の判断基準を採用する(Rule 42.1(d))。これら行政法判事は、審理の進行が杓子定規になりすぎず、迅速で、妥当な費用で、且つ、公平なものとなるように、審理の進行に広範な裁量権が与えられる。

 

(9) Inter-Parte Review (IPR);

施行規則42条サブパートB

IPRの施行日は2012916日であり、同日前、同日、同日以降に発行される全ての米国特許に適用される。

対特許庁における新設のトライアル手続きの一つであり、特許無効理由の法的根拠は102条と103条のみで、無効理由として使用可能なものは刊行物(特許公報込み)のみである。 特許権者以外のものが本手続きを請求可能であり、特許発行後9ヶ月経過後或いはPGR(異議申立)手続きの終了後に利用可能である。IPRの請求に対して、特許権者は予備的な応答をすることができる。IPRを開始するための挙証基準は、「無効を主張されている少なくともひとつのクレームが無効になるであろうという合理的な妥当性が存在する」という基準である。 当該挙証基準が満たされ、IPR手続きが開始されると基本的には審判部(PTAB: Patent Trial and Appeal Board)による審決が1年以内にでる。

 

(10) Post Grant Review (PGR);

施行規則42条サブパートC

PGRの施行日は2012916日であるが同日から適用されるのはビジネス手法特許のみであって、それ以外の通常の米国特許に対しては2013316日以降に出願されたものに適用される。

対特許庁における新設のトライアル手続きの一つであり、特許無効理由の法的根拠は101条、112条、102条と103条で、無効を証明するために使用可能な証拠は刊行物(特許公報込み)に限らない。 特許権者以外のものが本手続きを請求可能であり、特許発行後9ヶ月を経過する前に利用可能である。PGRの請求に対して、特許権者は予備的な応答をすることができる。PGRを開始するための挙証基準は、「無効を主張されている少なくともひとつのクレームが無効になるであろうということがより確からしい」という基準である。 当該挙証基準が満たされ、PGR手続きが開始されると基本的には審判部(PTAB: Patent Trial and Appeal Board)による審決が1年以内にでる。PGRの施行日は2012916日であるがビジネス手法特許にのみ適用される。 ビジネス手法特許以外の通常の技術的主題に関わる特許に対しては102条と103条の新法の適用を受けた米国特許(2013316日以降の米国出願に適用)に対して順次適用される。 従って、一般の米国特許に対しては、2014年以降に最初のPGR手続きが開始されると予想される。

 

(11) Transitional Program for Covered Business Method Patents (TPCBMP)

施行規則42条サブパートD

2012916日に施行する。

対特許庁における新設のトライアル手続きの一つであり、ビジネス手法の特許にのみ適用される。 一般的には上記したPGR手続きが適用される。 但し、TPCBMPを請求できるは問題となるビジネス手法特許を基に侵害訴訟を提起された者、或いは、侵害の判断を受けたものに限られる。 本プログラム(TPCBMP)は2020916日をもって終了する。

 

(12) Definition of Technological Invention

上記ビジネス手法特許(CBMP)に対するPGRレビューで、「ビジネス手法特許」、及び、「Technological Invention」という用語が使用されており、当該用語の意味合いを規定した施行規則()2012210日に公開された。

 

(13) Proposed Patent Fee Schedule;

AIAAmerica Invents Act: 2011916日施行)によって、米国特許庁に、庁費用に関わる料金を決定する権限が与えられた。 201227日に特許庁手続き料金の改定が提案されており、多くのアイテムに対してかなり大幅な値上げが提案されている。 本年夏には衛星支所をデトロイトに設置するという計画(初年度に100人以上の審査官を採用する予定:USPTO2012111日プレスリリース12-04より)を遂行するため、出願の審査期間の短縮(バックログの軽減)のために優秀な審査官の増員と優秀な審査官を定着させるための審査官の待遇改善(給与アップ)、新設の補助審査、ならびに、付与後の異議申立て制度(PGR)、当事者系レビュー(IPR)、且つ、冒認手続き(Derivation Proceeding)を担当するトライアルボード(PTAB:現行の審判部に行政法判事が加わる)の拡大により大幅増の予算が必要となる。 215日に実施された公共(関連者団体)とのヒアリングの内容を考慮に入れて、特許庁は最終規則案を6月ごろに発表する予定。その後、60日間パブリックコメントを収集し、20132月に新料金がスタートする予定である。

 

(14) Derivation Proceeding;

2013316日に施行する。

冒認手続きは対特許庁における新設のトライアル手続きの一つであり、審判部(PTAB)は冒認手続きの請求に基づき、(1)先願の発明者Aが冒認手続き請求者の出願の発明者Bから発明を取得したことと、(2)先願の出願人は請求人の発明者Bの許可なく冒認出願を行ったか否かを判断する。尚、冒認手続きの請求期間が先願の最初の公開日より1年以内である。冒認手続きの請求書に冒認出願が行われたことを証明する十分な証拠が盛り込まれていない場合には同手続きの請求は受理されない。

 

(15) First Inventor to File 

2013316日に施行する。

(本年7月頃までに公開される予定)


 

 

改正法

関連条文(特許法)及び施行日

特許施行規則(案)など

 

現在のStatus

@ Best Mode

訴訟での無効の抗弁としてのベストモード要件の廃止に対する審査官への通知

282条(3)項

2011916

特許庁は2011920日に審査官に対して審査におけるベストモード要件は依然として残る(侵害裁判における被告側の無効の抗弁にはならない)ということを通達(Memorandum)した。

 

http://www.uspto.gov/aia_implementation/best-mode-memo.pdf

 

既に確定。

A 当事者系再審査を開始するハードルが上昇

現行の当事者系再審査に取って代わって当事者系レビューIPR: 311条〜319条)2012916日から開始されることに準じ、現行の当事者系再審査を開始するための立証基準が厳しくなった。

2011916日から2012915日(2012916日からIPR Inter Partes Review”が開始される)までの間の当事者系再審査請求が認められるか否かをUSPTOが判断する基準がSNQ(特許性に関わる実質的に新規な疑義が存在するか否か)からReasonable Likelihood(当事者系再審査の請求人が無効を主張するクレームの少なくとも一つが無効になるという合理的な確からしさが存在すること)に変更される。

 

http://www.uspto.gov/aia_implementation/revision-of-ip-std.pdf

 

既に確定。

B Prioritized Examination

(aka Track 1)

優先審査(トラック1審査)

2011926日以降の米国出願に適用。

RCE後の優先審査の施行日は20111219日。

4800ドル()の追加支払いによって無条件で早期審査を実施する。 基本は1年(12か月)以内に審査結果(許可通知、最終アクション)を出す。

 

http://www.uspto.gov/aia_implementation/track1-aia.pdf 

http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2011-12-19/html/2011-32434.htm

 

Ø 2011926日以降の米国出願**(意匠出願を除く)に適用される。継続出願、分割出願、CIPにも適用される。 **継続出願、分割出願、一部継続出願にも適用可能、但し再発行出願には適用不可<PTO-Website Q&S-PE-TI10より>

 

Ø 出願(必要書類全て揃える;独立CL4つ、合計CL数30まで)と同時に優先審査を請求する。

 

Ø RCEと同時に或いはRCE後であっても第1回目のアクションの発行前であれば優先審査請求可能。 

 

Ø 但し、RCE後に優先審査請求は一回のみ。 ★第2回目のRCEには適用されない。

 

Ø PCTルート国内移行時には優先審査は請求できない。

 

Ø PCTから国内移行後、RCE時には優先審査請求可能。

 

Ø PCTルート国内移行ではなく所謂バイパス継続出願をすることで優先審査を受けられる。

 

特許庁は初期の規則を改定し、RCE後にも優先審査を認めることとした。RCE後の優先審査は20111219日より施行

(既に確定)

(★) 4000ドルに値下げが提案されている20122月)。

C Inventor’s Oath or Declaration

発明者の宣誓書

115

2012916日以降の米国出願に適用。

201219、「発明者の宣誓書」に関する特許庁の規則(案)が公開された。 概要は以下の通り:

 

発明者が特定でき全発明者より宣誓書に署名を貰える場合には現行の手続きと大きな違いはない。 但し、譲渡書に発明者が宣誓する文書を盛り込むことが可能となる。 拠って、譲渡書と宣誓書の2種の書面にサインする必要がなくなる。 発明者の国籍を記入する必要がなくなった。 発明者からサインを貰えない状況にある場合には現行の手続きよりもやや容易に宣誓書を作成できるようになる。

 

以下抜粋のみ

 

Ø Rule 1.47: 発明者がサインを拒む、又は、発明者とコンタクトできない場合

 

現行の規則1.47(b)では、発明者の全てが署名(サイン)できない状態の場合を規定しており、その場合には(i) 譲受人X、或いは、(ii) 発明主題に関し十分な権利を有する者Yのみが発明者(全て)の代わりに宣誓書にサインをすることが許されているが、本規則案のもとでは、発明者の一人でもサインできない状態の場合に上記(i),(ii)に該当する者X,Yに加えて、(iii) 発明者が権利をZに譲渡する義務を負う場合には、Zも署名(サイン)できない発明者の代わりに宣誓書にサインをすることができる。

 

さらに、現行の規則1.47(b)ではサインをしない(できない)発明者の代わりに署名をする場合には、「当事者の権利を保護するため」、或いは、「回避し難い損害を防止するため」にそのような署名が必要であったことを嘆願書を伴い宣誓書を提出することが要求されているが、新規則(案)の基では「回避し難い損害を防止するため」という文言が削除されている。

 

現行の規則1.47(a)は共同発明者による出願の場合に、サインをできない発明者の代わりに残りの発明者がサインをすることが許可されており、この規則は、新規則()1.47(b)として実質同じ内容で維持されている。

 

Ø Rule 1.55: パリ条約に基づく優先権

現行の規則1.55及び規則1.63(c)に基では、パリ条約に基づく優先権を記載するべき箇所が定位置になく混乱を招く可能性があったので、新規則案では規則1.76に基づく出願データシートに記載することに統一している。 尚、優先権を記載する期限は現行規則と同じ(出願審査中であって優先日より16ヶ月以内、期限延長不可)。

 

Ø Rule 1.63: 宣誓書

発明者の国籍を記載する必要がなくなった。

現行の3つの宣誓項目のひとつめで、自分は真の発明者で、且つ、最初の発明者であると信じるという「最初の発明者である」という文言が削除された。

 

新規則では宣誓書に署名する者は、以下の4つの項目に対して宣誓する:

 

★ 宣誓項目がひとつ(Rule 1.63(a)(5))増えている。

(1)真の発明者である。

-- Rule 1.63(a)(4)

(2)出願書類は発明者によって、或いは、発明者の承諾を得て作成された。

-- Rule 1.63(a)(5)

(3)クレームを含む明細書の内容を確認し、理解している。

-- Rule 1.63(a)(6)  

(4)IDSの開示義務を知っている。

-- Rule 1.63(a)(7)

 

Rule 1.63(c)(1)

譲渡書を宣誓書の中に盛り込むことを許容している。

★ 現行のように「譲渡書」と「宣誓書」の2枚に発明者のサインを貰わなくてすむ。

 

Ø Rule 1.67: 宣誓書の記載に不備がある場合 

(内容省略する)

 

Ø Rule 1.76: 出願データシート

(内容省略する)

 

詳細は以下URLよりFederal Registerを参照ください。

http://www.uspto.gov/aia_implementation/77fr982.pdf

 

 

201236日までパブリックコメントを受付け、その後規則を確定する。

D Citation of Prior Art (Inventor’s Statement) in Patent File

特許成立後に先行技術を提出し、ファイルに記録する。

301

2012916

201215、「Citation of Prior Art」に関する特許庁の規則(案)が公開された。 概要は以下の通り:

 

Ø 特許有効期間中であれば何時でも、何人も、特許権者が特許クレームの解釈に関して特許庁或いは連邦裁判所に対して述べた意見(情報)を当該特許のファイルに記録を残すことができる。 

 

Ø 当該特許ファイルに記録されたクレーム解釈に対する特許権者の意見(情報)は、(1)304条に基づく査定系再審査;(2)314条に基づく当事者系レビュー; 及び、(3)324条に基づく異議申立てにおいてのみ利用できる。言い換えると上記(1)、(2)、(3)の手続きにおいてのみ禁反言として活用可能;

 

Ø Rule 1.501(f)

3者は匿名で特許庁に当該情報を提供できる;

 

Ø Rule 1.501(d)

但し、情報提供者は特許権者に当該情報を送達しなければならない(送達するための誠実な努力を支払わねばならない);

 

Ø Rule 1.501(e)

送達を示す証拠がない場合には特許ファイルの記録に残さない。

 

詳細は以下URLよりFederal Registerを参照ください。

http://www.uspto.gov/aia_implementation/77fr442.pdf

 

 

201235日までパブリックコメントを受付け、その後規則を確定する。

E 3rd Party Submission of Prior Art for Patent Application

3者による情報提供(特許成立前)

122(e)項が追加された。

2012916日から開始され、同日時点で特許法122(e)の定める時期的要件を満たす米国出願に対して適用する。

201215、「第3者による情報提供」に関する特許庁の規則(案)が公開された。 概要(規則案抜粋)は以下の通り:

 

Ø Rule 1.290(b) (35USC122(e)に準ずる)

(1)許可可能通知の前、或いは、(2)出願公開後6か月以内か第1回目の拒絶通知の遅い方; (1)と(2)の早い日までであれば情報提供可能; 注意: 期限を過ぎるとFile-Wrapperにも入らない。

 

Ø Rule 1.290(d)(2)

簡潔な説明(提出する情報とクレームとの関連性)提出要

 

Ø Rule 1.290(5)

情報提供者はIDSの開示義務を負う者ではないということを記載すること(特許権者がIDS開示義務を容易に回避する手段として本手続きを活用できないようにする); 但し、匿名で可能。

 

Ø Rule 1.290(g)

3つ以内の文献とそれらの簡潔な説明を提出する場合は庁費用($180)免除(★ より関連性の高い情報のみを提出するインセンティブ);

 

Ø Rule 1.290(h)

特許庁からの要請のない場合には出願人は第3者の情報提供に対して応答する必要はない。

 

詳細は以下URLよりFederal Registerを参照ください。

 

http://www.uspto.gov/aia_implementation/77fr448.pdf

 

201235日までパブリックコメントを受付け、その後規則を確定する。

F Supplemental Examination

補助審査手続き

257

2012916日時点で成立している特許全てに適用。

2012125、「補助審査手続き」に関する特許庁の規則(案)が公開された。 概要は以下の通りです。 

 

補助審査は特許権者が特許性に関わる情報を特許庁に考慮または再考慮、或いは、既に特許庁に提出した情報の内容を訂正し、審査してもらうための手続きである。 同手続きにおいて特許庁で検討された情報を基に、被疑侵害者が権利行使不能の抗弁をすることを禁止するというメリットが特許権者に与えられる。 従って、補助審査の活用法の一例としては、特許権者がIDS提出不備の事実を訴訟前に治癒することができる。 尚、補助審査においてSNQ(特許性に対する実質的に新たな疑義)が存在すると判断されると査定系再審査が開始される。 是正されると訴訟において問題となる情報を元に不公正行為は問われない。

 

Ø Rule1.601(b)

補助審査の請求は特許権者によってのみ可能。 第3者は参加できない。

 

Ø Rule 1.610(b)(8)(i) & Rule 1.610(b)(8)(ii)

特許性に関わる全ての要件(102条新規性、103条進歩性のみではなく、101条特許保護適格性、及び、112条記載要件)を理由に補助審査を請求できる。

 

Ø 35USC257(c)(1)

審査段階で考慮されなかった情報、不適切に考慮された情報、或いは、情報が間違って伝えられた場合に、これら情報が補助審査(査定系再審査)において考慮された後は、これら情報に関わる行為(例:IDS提出の不備)を基に権利行使不能とはならない 。

 

Ø 費用(料金):

補助審査請求時に、補助審査請求費用(5180ドル: Rule 1.20(k)(1))と査定系再審査請求費用(16120ドル: Rule 1.20(k)(2))の支払いが必要(庁費用だけで21300ドル「約180万円」必要)。

 

Ø Rule 1.620(a)

補助審査請求(提出書類の要件を満たされた場合)後、3か月以内に特許庁はSNQ(特許性に関わる実質的に新規な疑義)があるか否かを判断し、結果を出す。

 

Ø 補助審査においてSNQ(特許性に関わる実質的に新規な疑義)が存在すると判断された場合には、査定系再審査(35USC257)が開始される – Rule 1.625(b)。 尚、補助審査後の査定系再審査は基本的にはRule1.530Rule1.570に基づき実施される。 しかし、通常の査定系再審査とは異なり特許権者がRule1.530に基づく意見書を提出できない(注意:再審査が開始された後の拒絶理由通知には応答できる); 通常の査定系再審査とは異なり、特許或いは文献以外の証拠も考慮される; 通常の査定系再審査とは異なり特許性に関わる理由が101条、112条を含む; などの違いがある – Rule1.625(d)

 

Ø Rule 1.625(c) & Rule 1.20(k)(2)

補助審査においてSNQ(特許性に関わる実質的に新規な疑義)が存在しないと判断された場合には査定系再審査費用(16120ドル:約140万円)が返還される。 査定系再審査(35USC257)は行われない。

 

Ø Rule 1.620(e)

補助審査においてインタビューは不可。

 

Ø Rule 1.620(f)

補助審査請求時に補正クレームを提出できない。

 

Ø Rule 1.605(a)

一回の補助審査において提出できる特許性に関わる情報は10アイテム以内 (例:引例Aと引例Bにより自明。⇒2アイテムとなる)

 

Ø 35USC257(a) & (c)

補助審査において提出できる情報は特許或いは文献に限定されない。 音声情報を基に記録した情報(テープ録取)或いはビデオ映像なども提出可能。

 

Ø Rule 1.620(g) & 35USC257(e)

補助審査中に重大な詐欺行為(Material Fraud)が発覚した場合には特許庁は司法庁長官に通告できる。 ここで、重大な詐欺行為とは、2011年のCAFC大法廷におけるTherasense判決(重要性と意図の要件を個々に明白且つ説得性の挙証責任で立証)に基づく。

 

★ 尚、特許庁はAIA America Invents Act: 2011916日に成立した米国特許法改正法)第257条(d(1)で料金設定権限が与えられたのを良いことに査定系再審査請求費用を現行の2520ドルから17750ドルに値上げを提案している。(注意: 本規則は最終決定されたものではない。)

 

詳細は以下URLよりFederal Registerを参照ください。

http://www.uspto.gov/aia_implementation/77fr3666.pdf

 

2012326日までパブリックコメントを受付け、その後規則を確定する。

G IPRPGRCBMP(*1)Derivation Proceedingに共通するトライアル規則

(*1) the transitional program for covered business method patents の略

 

施行規則42条サブパートA

 

PTOは、以下の4つの係争手続きに共通するトライアルルール(規則案)を設定した:

(v) IPR(当事者系レビュー);

(vi) PGR(付与後異議申立て);

(vii) CBMP(ビジネス手法特許に関する移行期の対応);

(viii) Derivation Proceeding(冒認手続き);

 

PTO現行の審判部(Board of Patent Appeal and Interference: BPAI)はPatent Trail and Appeal Board (PTAB)**となり、そこに技術と法律に熟知した行政法判事(裁判官)を配置する。 特許出願における審判、再審査に対する審判、冒認手続き、及び、IPR手続き、及び、PGR手続きを担当する。 少なくとも3人の行政法判事の下で審理をする。

審理においては特段の規定がない限りにおいて、「証拠の優越性」の判断基準を採用する(Rule 42.1(d))

 

**DC及びDC近辺の有名事務所の特許訴訟弁護士も採用されている。 合計約100-120名の経験豊富なLitigatorsが採用される予定。

 

これら行政法判事は、審理の進行が杓子定規になりすぎず、迅速で、妥当な費用で、且つ、公平なものとなるように、審理の進行に広範な裁量権を持つ。

 

42.5(d)で規定された当事者系の審理において審判部は一当事者のみとのコミュニケーションはしない。

 

42.15で各手続きの料金が規定されており、無効を請求するクレームの数によって異なる:

 

クレーム数

IPR (US$)

PGR (US$)

120

27,200

35,800

2130

34,000

44,750

3140

40,800

53,700

4150

54,400

71,600

5160

68,000

89,500

6170

95,200

125,300

70を超えて10項毎に

27,200

35,800

 

クレーム数の計算例:

1: クレーム130の無効を主張する場合、クレーム230の各々が独立クレーム1にのみ従属する従属項の場合には、上記表におけるクレーム数(左コラム)は30項である。

 

2:  クレーム221の無効を主張する場合、クレーム2−20の各々は独立クレーム1にのみ従属する従属項の場合には、クレーム1をカウントに入れて、上記表におけるクレーム数は21項である。

 

3:  クレーム3の無効を主張する場合、クレーム3はクレーム2の従属項であり、クレーム2はクレーム1の従属項である場合には、上記表におけるクレーム数は3項である。

 

42.24には頁数の上限が規定されている。

 

 

IPR

PGR

CBMP

冒認手続き

手続きの請求書面

50

70

70

50

被請求人の反論

上と同じ

上と同じ

上と同じ

上と同じ

特許権者の反論に対する意見書

15

15

15

 

規則

例外を除いてレターサイズ、14ポイント以上のフォント、ダブルスペース、黒色、1インチのマージン(全サイド);

但し、目次および参照文献のリスト等は上記枚数制限に含まない。

 

42.51はディスカバリーに関して規定している。 

42.53はディポジションに関して規定している。

42.62で、証拠の取り扱いに関しては、連邦民事訴訟における証拠法が適用されると規定している。

42.70は口頭審理に関しての規定。

42.74は、「和解」に関して規定している。

 

詳細は以下URLよりFederal Registerを参照ください。

http://www.uspto.gov/aia_implementation/rin-0651-ac70.pdf

以下規則42条サブパートAの目次のみ

PART 42—TRIAL PRACTICE BEFORE THE PATENT TRIAL AND APPEAL BOARD

Sec.

Subpart A—Trial Practice and Procedure

General

42.1 Policy.

42.2 Definitions.

42.3 Jurisdiction.

42.4 Notice of trial.

42.5 Conduct of the proceeding.

42.6 Filing of documents, including exhibits; service.

42.7 Management of the record.

42.8 Mandatory notices.

42.9 Action by patent owner.

42.10 Counsel.

42.11 Duty of candor.

42.12 Sanctions.

42.13 Citation of authority.

42.14 Public availability.

Fees

42.15 Fees.

Petition and Motion Practice

42.20 Generally.

42.21 Notice of basis for relief.

42.22 Content of petitions and motions.

42.23 Oppositions and replies.

42.24 Page limits for petitions, motions, oppositions and replies.

42.25 Default filing times.

Testimony and Production

42.51 Discovery.

42.52 Compelling testimony and production.

42.53 Taking testimony.

42.54 Protective order.

42.55 Confidential information in a petition.

42.56 Expungement of confidential information.

42.61 Admissibility.

42.62 Applicability of the Federal Rules of Evidence.

42.63 Form of evidence.

42.64 Objection; motion to exclude; motion in limine.

42.65 Expert testimony; tests and data.

Oral Argument, Decision, and Settlement

42.70 Oral argument.

42.71 Decision on petitions or motions.

42.72 Termination of trial.

42.73 Judgment.

42.74 Settlement.

Certificate

42.80 Certificate

 

 

H Inter Partes Review

当事者系レビュー

311条〜319

2012916日時点で付与後9ヶ月を経過した米国特許に適用。

施行規則42条サブパートB

 

2012210、「当事者系レビュー:IPR」に関する特許庁の規則42-B(案)が公開された。 概要は以下の通り: 

 

IPR制度を導入する目的は訴訟における多大なコストと時間を軽減しうる手続きを対特許庁で実施できるようにするためである。 IPRを開始するにあたり、IPR請求人(特許権者以外のもの)は新規性、進歩性に関わる理由を法的根拠とし、一つあるいはそれ以上のクレームを無効にするべく証拠と、手続き費用27,200ドル(無効を請求するクレーム数、20項までの場合)とともにIPRを申請可能である。 PTOは請求人の無効理由(証拠)によって、少なくとも一つのクレームが無効になるという合理的な妥当性がある(Reasonable Likelihood that at least one claim challenged is unpatentable)と判断した場合に、IPRを開始する。 尚、特許権者は一回の反論の機会(クレームの補正も可能)が保証されている。尚、当該手続きを遂行するにあたり、共通のトライアル規則が42条で新規に設定されており、基本的にはIPRCBMとも同様の規則が適用され限定的なディスカバリー、及び、口頭審理も可能である。 手続きが開始されてから基本的には1年で決着がつくようにスケジュールが組まれる(請求人と特許権者に対する応答期限が設定される)。 但し、正当な理由のある場合にはトータルで6ヶ月の期限延長が可能であり、その場合には1年という期間は遵守されない) 尚、PTOの審判部(PTAB)の最終判断に不服のある場合にはCAFCに控訴可能である。

 

PGRとの相違点は、IPR2012916日以降に全ての米国特許に対して適用されること、さらに特許発行後9ヶ月以降であること(またはPGR手続きの終了後)にIPRを請求できる。 さらに、PGRでは米国特許法に基づく全ての要件(但しベストモード要件はNG)が法的根拠となるのに対してIPRは新規性と進歩性のみが法的根拠で、無効に利用できる証拠は刊行物(特許含む)限定される。 さらに、PGRを開始するための請求人側の立証責任は「More Likely Than Not…(MLTN)」であり、IPRを開始するための請求人側の立証責任は、「Reasonable Likelihood that the petitioner would prevail・・・(RL): 35USC314」である。

 

但し、IPR手続きが開始された後は、クレームを無効にするための立証責任は「証拠の優越性 (Preponderance of the Evidence)」であり、PGR手続き、及び、査定系再審査と同じである。

 

IPRに対する施行規則: Rule 42 Subpart B:

(以下、要部のみ抜粋)

 

Ø Rule 42.100

IPRはトライアルであり施行規則42条のサブパートAに準ずる。クレームは明細書に鑑み妥当性のある最も広い解釈がされる。 IPRは期限延長(最長6ヶ月)のなき場合には通常1年以内に終結する。

 

Ø Rule 42.101

特許権者以外がIPRを請求できる。

但し、IPR請求人が既に民事訴訟(問題となる特許クレームの有効性が争点: ★ DJアクション)を提起している場合にはIPRを請求できない。 請求人が問題となる特許を侵害するという訴状を受けてから1年以上経過している場合にはIPRを請求できない。

 

Ø Rule 42. 102

特許発行後9ヶ月以降に請求すること。 或いはPGR手続きが進行している場合にはその終結後に請求すること。

 

Ø Rule 42. 103

IPRの請求時に4215a)に規定された料金(27200ドル:無効請求の対象となるクレーム数、20項までの場合)を支払うこと。  無効請求対象のクレームが20項を越えると費用が増大する。 因みに対象となるクレーム数が5160項の場合には68,000ドル。

 

Ø Rule 43. 104

IPRの請求書面において特許と無効を請求するクレームを特定し、無効理由となる法的根拠を示し、無効を主張するクレームの構成を説明し、当該法的根拠に基づき無効理由(先行技術との関連性)を説明すること。 尚、無効理由の根拠となる先行技術(引例)には証拠番号を付し、無効理由となる箇所を特定すること。

 

Ø Rule 42. 105

IPR請求人は特許権者に請求書類及び証拠資料を送達すること。

 

Ø Rule 42. 106

IPRの請求書類に不備がある場合には、当該不備の通告後1ヶ月以内に不備が解消されない場合にはIPRの請求を受理しない。

 

Ø Rule 42. 107

特許権者は一度予備的な反論をする機会が与えられる。 証拠を添えて反論することも可能である。 IPR手続きが開始されたという通知が発行されて2ヶ月以内に応答すること。 特許権者は予備的な反論をするときに補正クレームを提出できない。 特許権者は問題となるクレームをキャンセルすることはできる(★IPRをする意味がなくなり、IPRを終結できる)。 

 

Ø Rule 42. 108

PTOの審判部(PTAB)RLの基準(Reasonable Likelihood that at least one of the claims challenged is unpatentable)を満たしていないと判断するとIPRの手続きは開始されない。

 

Ø Rule 42. 120

特許権者は請求人が無効を主張するクレームに関してのみ反論することができる。 当該反論の頁数は規則42.24の制限を受ける。 当該反論の期限はIPR手続きが開始された後、2ヶ月以内である。

 

Ø Rule 42. 121

特許権者は審判部(PTAB)に確認した後に、クレームを補正する機会が一度与えられる。 それ以上、クレームを補正することは審判部(PTAB)の許可がないとできない。 尚、当該補正時に、クレームの拡大補正は許されない。 無効を主張されたクレームの無効理由を解消する目的でしかクレームを補正できない。

 

Ø Rule 42. 122 – Multiple Proceedings

省略する。

 

Ø Rule 42. 123

請求人は審判部(PTAB)の承認を得て、追加の情報を提供できる。 但し、IPR手続き開始後1ヶ月以内。

 

詳細は以下URLよりFederal Registerを参照ください。

http://www.uspto.gov/aia_implementation/rin-0651-ac70.pdf

 

49日までパブリックコメント受付け、最終的には本年7月頃に規則が成立する予定。

I Post Grant Review

付与後異議申立て

321条〜329

2012916日以降に手続きは開始されるがビジネス手法特許(施行規則42条サブパートD参照)にのみ適用、それ以外の米国特許に関しては新法に基づく新規性・進歩性(2013316日以降の米国出願)で権利化されたものに順次適用する。

施行規則42条サブパートC

 

2012210、「付与後異議申立て:PGR」に関する特許庁の規則42-C(案)が公開された。 概要は以下の通りです。 

PGR制度を導入する目的は訴訟における多大なコストと時間を軽減しうる手続きを対特許庁で実施できるようにするためである。 PGRを開始するにあたり、PGR請求人(特許権者以外のもの)は新規性、進歩性に関わる理由のほかに、101条(特許主題適確性)、及び、112条の記載要件(但し、ベストモード要件違反を除く)を法的根拠とし、一つあるいはそれ以上のクレームを無効にするべく証拠と、手続き費用35,800ドル(無効請求の対象となるクレーム20項までの場合)とともにPGRを請求可能である。

 

 PTOは請求人の無効理由(証拠)によって、少なくとも一つのクレームが無効になることがより確からしい(More Likely Than Not)と判断した場合に、PGR手続きを開始する。 尚、特許権者は一回の反論の機会(クレームの補正も可能)が保証されている。尚、当該手続きを遂行するにあたり、共通のトライアル規則が42条で新規に設定されており、基本的にはIPRCBMとも同様の規則が適用され限定的なディスカバリー、及び、口頭審理も可能である。 手続きが開始されてから基本的には1年で決着がつくようにスケジュールが組まれる(請求人と特許権者に対する応答期限が設定される)。 但し、正当な理由のある場合には最長6ヶ月の期限延長が可能であり、その場合には1年という期間は遵守されない) 尚、PTOの審判部(PTAB)の最終判断に不服がある場合にはCAFCに控訴可能である。

 

IPR(当事者系レビュー)との相違点は、PGRは(ビジネス手法特許 CBMP’を除いて)2013316日以降の米国出願で成立した特許に適用されること、さらに特許発行後9ヶ月以内にPGRを申請することが要求され、それ以降はIPRとなる。 さらに、PGRでは米国特許法に基づく全ての要件(但しベストモード要件はNG)が法的根拠となる。 さらに、PGRを開始するための請求人側の立証責任は「More Likely Than Not」であり、IPRを開始するための請求人側の立証責任は、「Reasonable Likelihood that the Petitioner would Prevail・・・」である。 言い換えると、PGRの請求期間は9ヶ月と限定されているが、PGRの請求のほうがIPRの請求よりも認められやすい。

 

但し、PGR手続きが開始された後は、クレームを無効にするための立証責任は「証拠の優越性 (Preponderance of the Evidence)」であり、IPR及び査定系再審査と同じである。

 

PGRに対する施行規則: Rule 42 Subpart C:

 

(以下、要部のみ抜粋)

 

Ø Rule 42.200

PGRはトライアルであり施行規則42条のサブパートAに準ずる。

クレームは明細書に鑑み妥当性のある最も広い解釈がされる。 PGRは期限延長(最長6ヶ月)のなき場合には通常1年以内に終結する。

 

Ø Rule 42.201

特許権者以外がPGRを請求できる。但し、PGR請求人が既に民事訴訟(問題となる特許クレームの有効性が争点: ★ DJアクション)を提起している場合にはPGRを請求できない。

 

Ø Rule 42. 202

特許発行後9ヶ月以内に請求すること。 原特許のクレームと同一或いは減縮した権利範囲のクレームを持つ再発行特許には適用不可。

 

Ø Rule 42. 203

PGRの請求時に4215(b)に規定された費用(35800ドル:無効請求の対象クレーム20項まで)を支払うこと。 無効請求対象のクレームが20項を越えると費用が増大する。 因みに対象となるクレーム数が5160項の場合には89500ドル。

 

Ø Rule 43. 204

PGRの請求書面において特許と無効を請求するクレームを特定し、無効理由となる法的根拠を示し、無効を主張するクレームの構成を説明し、当該法的根拠に基づき無効理由(先行技術との関連性)を説明すること。 尚、無効理由の根拠となる先行技術には証拠番号を付し、無効理由となる箇所を特定すること。

 

Ø Rule 42. 205

PGR請求人は特許権者にPGR請求書類及び証拠資料を送達すること。

 

Ø Rule 42. 206

PGRの請求書類に不備がある場合にはPGR請求日としない。(★書類不備によって9ヶ月期限を越える危険性あり)

 

Ø Rule 42. 207

特許権者は一度予備的な反論をする機会が与えられている。 証拠を添えて反論することも可能である。 PGRが開始されたという通知(PTOが請求人の無効理由がMLTN” more likely than not”の基準を満たしていると判断した)が発行されて2ヶ月以内に応答すること。 特許権者は予備的な反論をするときに補正クレームを提出できない。 特許権者は問題となるクレームをキャンセルすることはできる(★PGRをする意味がなくなり、PGRを終結できる)。

 

Ø Rule 42. 208

PTOの審判部(PTAB)MLTNの基準(More Likely Than Not that at least one claim challenged in the petition is unpatentable)を満たしていないと判断するとPGRの手続きは開始されない。

 

Ø Rule 42. 220

特許権者は請求人が無効を主張するクレームに関してのみ反論することができる。 当該反論の頁数はRule42.24の制限を受ける。 当該反論の期限はPGR手続きが開始された後、2ヶ月以内である。

 

Ø Rule 42. 221

特許権者は審判部(PTAB)に確認した後に、クレームを補正する機会が一度与えられる。 それ以上、クレームを補正することは審判部(PTAB)の許可がないとできない。 尚、当該補正時に、クレームの拡大補正は許されない。 無効を主張されたクレームの無効理由を解消する目的でしかクレームを補正できない。

 

Ø Rule 42. 222 – Multiple Proceedings

省略する。

 

Ø Rule 42. 223

請求人は審判部(PTAB)の承認を得て、追加の情報を提供できる。 但し、PGR手続き開始後1ヶ月以内。

 

Ø Rule 42. 224

ディスカバリーはRule 42条のサブパートAに準ずる。

 

詳細は以下URLよりFederal Registerを参照ください。

http://www.uspto.gov/aia_implementation/77fr7060nprm.pdf

 

49日までパブリックコメント受付け、最終的には本年7月頃に規則が成立する予定。

J Implement Transitional Program for Covered Business Method Patents (CBMP)

2012916日から適用

施行規則42条サブパートD

2012210、ビジネス手法特許(Covered Business Method Patents: CBMP)に対する「付与後異議申立て:PGR」に関する特許庁の規則42-D(案)が公開された。 概要は以下の通りです。 

ビジネス手法特許に対する異議申立て制度(PGR)はそれ以外の特許に対する異議申立て(PGR)とは少し異なるルールが適用される。 まずは、施行日に関して、ビジネス手法特許に関しては2012916日よりPGRが可能となる。 但し、PGR請求人は当該ビジネス手法特許でもって侵害を訴えられた者、或いは、侵害と判断された者に限る。 尚、本プログラムは2020916日に終了する。

Subpart D—Transitional Program for Covered Business Method Patents (CBMP):

 

Ø Rule 42.300 Procedure; pendency

CBMPに対するレビューはトライアルであり施行規則42条のサブパートA及びPGRに関する施行規則42条のサブパートCに準ずる。

クレームは明細書に鑑み妥当性のある最も広い解釈がされる。 CBMPのレビューは期限延長(最長6ヶ月)のなき場合には通常1年以内に終結する。本施行規則は2020915日を持って終了する。

 

Ø Rule 42.301  CBMPの定義

CBMP (Covered Business Method Patent)とは金融商品(資産商品)或いは、サービスに対する管理、運用、実行に用いるための方法或いはそれに対応する装置をクレームした特許を意味する。 但し、CBMPは、技術的な発明(Technological Inventions)を含まない。 ★ ここで「技術的な発明」を含まないと規定されているのでRule 42.301(b)で何が技術的な発明であるかを規定している。

 

Ø 42.302 当事者適確性:

CBMPを基礎とし侵害裁判の被告、或いは、侵害と判断された者、および、その利害関係者のみがCBMPのレビューを請求できる。

 

Ø Rule 42.303 Time for filing.

CBMPのレビューは、改正米国特許法321(c)で規定された期間を除き、いつでも請求可能である。 ★ 321条(c)では特許証発行後9ヶ月間と規定しているので、CBMPのレビューはこの期間を除き請求可能である。

 

Ø Rule 42.304 Content of petition.

規則42.22の要件を満たすと共に、請求人は以下の内容をCBMPレビューの請求書に盛り込むこと、(以下抜粋) 当事者適確性、レビューを申請する特許がCBMPに該当することの証明、無効の対象となるクレームの特定と、無効理由、無効の対象となるクレームの解釈、無効理由を補助する証拠。

 

詳細は以下URLよりFederal Registerを参照ください。

http://www.uspto.gov/aia_implementation/77fr7080nprm.pdf

 

410日までパブリックコメント受付け、最終的には本年7月頃に規則が成立する予定。

K Definition of Technological Invention

 

Rule 42.301

上記ビジネス手法特許(CBMP)に対するPGRレビューで、「ビジネス手法特許」、及び、「Technological Invention」という用語が使用されており、当該用語の意味合いを規定した施行規則()2012210日に公開された。

 

Ø Rule 42.301

 

Rule 42. 301 (a)

CBMP (Covered Business Method Patent)

CBMPとは金融商品(資産商品)或いは、サービスに対する管理、運用、実行に用いるための方法或いはそれに対応する装置をクレームした特許を意味する。 但し、CBMPは、技術的な特許(Technological Inventions)を含まない。

 

Rule 42. 301 (b)

技術的な発明(Technological Inventions)

CBMPのレビューに該当する特許 (42.301a)か否かを検討するために、問題となる特許が技術的な発明(Technological Invention)であるか否かを判断するには事案毎に、以下を検討する:

 

(1) クレームされた主題全体において、引例に対して新規で且つ非自明な技術的な特徴を規定しているか? 及び、

(2) 技術的な問題を技術的解決手法にて解決するか?

 

★ 上記規則42.301(b)の(1)及び(2)を満たせば問題となる特許は技術的な発明であると判断され、CBMPのレビューは行われない。 即ち、通常のPGRルール(上記42条サブパートC)が適用される。

 

詳細は以下URLよりFederal Registerを参照ください。

http://www.uspto.gov/aia_implementation/77fr7095nprm.pdf

 

410日までパブリックコメント受付け、最終的には本年7月頃に規則が成立する予定。

L 特許出願および特許維持に関する改訂費用(案)

AIAAmerica Invents Act: 2011916日施行)によって、米国特許庁に、庁費用に関わる料金を決定する権限が与えられた。 201227日に以下の手続き料金の改定が提案されている。

かなり多くのアイテムに対してかなり大幅な値上げが提案されている。 

 

本年夏には衛星支所をデトロイトに設置するという計画(初年度に100人以上の審査官を採用する予定:USPTO2012111日プレスリリース12-04より)を遂行するため、出願の審査期間の短縮(バックログの軽減)のために優秀な審査官の増員と優秀な審査官を定着させるための審査官の待遇改善(給与アップ)、新設の補助審査、ならびに、付与後の異議申立て制度(PGR)、当事者系レビュー(IPR)、且つ、冒認手続き(Derivation Proceeding)を担当するトライアルボード(PTAB:現行の審判部に行政法判事が加わる)の拡大により大幅増の予算が必要となる。 以下に提案されている改定料金は上記した特許庁の大きな改革を実現するために必要ということで提案されている。 

 

以下料金改定(提案)は215日に公共とのヒアリング(済み)があり、同ヒアリングの内容を考慮に入れて、特許庁は最終規則案を6月ごろに発表する予定。その後、60日間パブリックコメントを収集し、20132月に新料金がスタートする予定である。

 

 料金が上昇するもの(提案):

 

現在 (US$)

今回の提案(US$)

増加%

特許出願費用(サーチ、審査込み)

1250 (US$)

1840 (US$)

47%

20項を超えるクレームに対するクレーム数超過費用

60

100

67%

3つを超える独立クレームに課せられる超過費用

250

460

84%

多数項従属クレーム

450

860

91%

意匠出願費用

530

1180

123%

期限延長費用(1ヶ月)

150

200

33%

期限延長費用(2ヶ月)

560

600

7%

期限延長費用(3ヶ月)

1270

1400

10%

RCE(継続審査請求)

930

1700

83%

審判請求と審判理由書

1240

4000

223%

特許維持費用

 

 

 

3.5

1130

1600

42%

7.5

2850

3600

26%

11.5

4730

7600

61%

 

 

 

 

 

 

 料金が安くなるもの(提案):

 

現在(US$)

今回の提案(US$)

減少%

特許登録費用と公開費用

2040

960 (*)

-53%

優先審査

4800

2011926日に提案された費用

4000

-17%

(*) 201411日より、それまでは2080ドル(提案)

 

 

 不思議な変動:さらなる値上げが提案されている(提案)

 

20121月に提案された費用 (US$)

今回2月の提案 (US$)

増加%

補助審査

5180(補助審査)+16120(再審査)

7000(補助審査)+

20000(再審査)

35%

24%

 

詳細は以下URLよりFederal Registerを参照ください。

http://www.uspto.gov/aia_implementation/fee_setting_-_ppac_hearing_attachment_1-table_of_patent_fee_changes_7feb12.pdf

 

 

M Derivation Proceeding

冒認手続き

135

2013316日以降に適用。

20120210、「冒認手続き:Derivation Proceeding」に関する特許庁の規則(案)が公開された。 概要は以下の通りです。 

Ø Rule 42.401 - Definition

本規則において「出願人」とはオリジナルの特許(原特許)の出願人と再発行特許の出願人を意味し、「請求人」とは先願の出願人が請求人の出願に記載された発明者より発明を取得し、許可を得ることなく冒認出願したという事実認定をPTOに求める者を意味する。「応答人(respondent)」とは「請求人」以外の当事者を意味する。

 

Ø Rule 42.402  請求人

米国特許出願人は冒認手続きの請求人になる資格がある。

 

Ø Rule 42. 403 冒認手続き請求の時期

先願の最初の公開より1年以内。

 

Ø Rule 42.404  冒認手続きの費用

施行規則4215(c)に準ずる。

★$US 400PGRIPRに比べて何故庁費用がこれだけ低いのか?疑問

 

Ø Rule 42.405 冒認手続きの請求書の内容

(a) 当事者としての適格性:

規則42.40242.403の要件を満たしていることを記載する;

請求人は少なくとも一つのクレームに対して、応答人のクレームされた発明主題と同じ或いは実質的に同じであること、応答人が開示している発明と特許性のレベルで識別できないということを証明する。

 

(b) 規則42.8および42.22の要件を満たすとともに、請求人は以下を揃えること:

(1) 請求人が問題とする特許出願或いは特許を特定する;

(2) 請求人の出願に記載された発明者から発明が取得され、発明者の許可なくその発明をクレームした冒認出願が実施されたことの証明;及び、

(3) 応答人が冒認出願したと主張する各クレームに対して:  

 (i) それらが出願人のクレームと特許性に鑑み識別されないと判断するその理由;

 (ii) 問題となるクレームの解釈(112条第6項の解釈をするときは明細書でそれに該当する個所と構成を指摘する);

(c) 請求人が冒認されたと主張する発明に関して発明者と何らかのやりとりがあったこと、発明者の許可なく冒認出願がなされたことが、宣誓書を伴う十分な証拠でサポートされていない場合には冒認があったことの証明にはならない。

 

Ø Rule 42.406

冒認手続きの請求書と証拠を先願人の住所に送達すること。 先願人に送達ができない場合には請求人は即刻特許庁にその旨を通知すること。

 

Ø Rule 42.407

本規則42.405の要件を満たし、42.406に基づき送達がなされ、42.105(c)の請求費用の支払いがなされた場合に冒認手続きの請求日(出願日)が確定する。 冒認手続き請求書に不備がある場合に、特許庁から不備を知らせる通知の発行日から1か月、或いは、冒認手続きの請求期限(42.403)以内に不備を解消できない場合には冒認手続きの請求は受理されない。

 

Ø Rule 42.408

行政法判事が冒認手続きを審理する。 

請求人は、冒認手続きが開始されてからさらなる冒認出願を特定することも可能であるが、その場合には最初に冒認手続きを請求するときに盛り込めなかったのかを説明する義務を負う。

 

Ø Rule 42.409

42.74に基づき手続きの進行中に当事者間で和解することも可能である。

 

Ø Rule 42.410

本規則は仲裁に関して規定しており、当事者間で、いかなる争点に関して 仲裁による判断を採用しても良い。 但し、特許庁は冒認手続きに関わるクレームの特許性の判断に関しては仲裁の判断の影響を受けることなく独自に判断する。 さらに、審判部は42.410(b)に列記されている条件を満たす場合を除いて、仲裁の手続きの進行状況を一切考慮に入れない。42.401(b)の要件は規則原文を参照ください。

 

Ø Rule 42.411

問題となる先願と特許出願とが同一人に所有される場合には審判部は冒認手続きの請求を受理しない、或いは、既に冒認手続きが進行している場合には判決を出す権限を有する。

 

Ø Rule 42.412

基本的には、冒認手続きの経過書類は、当事者の許可を得ることなく閲覧可能である。

 

特別の状況下で審判部より公開予定の通知があってから2か月以内に請求人から非公開の要請がない場合には、冒認手続きの経過処理は閲覧可能である。

詳細は以下URLよりFederal Registerを参照ください。

http://www.uspto.gov/aia_implementation/77fr7028nprm.pdf

 

49日までパブリックコメント受付ける。

N First Inventor to File

先発明者による先願主義

102条及び103

2013316日以降に優先日を持つ全ての米国出願に適用

Will Be Published by July, 2012…..!

 

施行規則(案)を6ENDくらいまでに作成予定、最終的には20131月頃に規則が成立する予定。

 

(1) US Patent Related

(2) Case Laws

(3) Self-Study Course

(4) NY Bar Prep

(5) LINKS

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