合衆国最高裁判決

2011531 

Global-Tech Appliances v. SEB. S.A.

判示: Actual Knowledge of Patent is Required for 271(b) Infringement (Inducement of Infringement); 

But “Willful Blindness” can be substitute for “Actual Knowledge”.

 

Summarized by Tatsuo YABE

June 05, 2011

事件の背景:

フランスの会社(SEB)は家庭料理機器の製造販売社であり、同社の揚げ物用の鍋(以下鍋と称する)に対する特許を侵害しているとし、複数の会社を相手に訴訟を提起した。 被告の一社として香港のPentalpha Enterprise(その親会社であるGlobal-Tech Appliance)があり、同社は鍋をSunbeam ProductsFingerhut社、及び、Montgomery Ward社に販売していた。 地裁にて陪審はPentalphaの販売行為は故意侵害であり、侵害を誘因していると判断し、JMOLが否定され、地裁の判決となった。 同判決を不服とし、Pentalphaは侵害の誘因(271条b項)は特許の存在を知っていることが必要であり、それが証明されていないと反論した。 CAFCは特許を周知しているということを要件(周知の要件)とすることに同意するも、危険性を故意に無視するという行為(deliberate indifference)は周知の要件をみたすと判断した。 

   

CAFCは本事件の記録(証拠)から、Pentalphaは、SEBが特許保護された製品を有しているという危険性を意図的に無視したという結論を支持した。PentalphaSEBの鍋を購入し、同製品の装飾部分を除いてコピーした後に、その製造過程(SEB社の製品をベースに作った)を知らせずに、米国弁護士に米国での販売ができるか否かの判断(米国特許を侵害する可能性)を求めた。

 

最高裁判決の要旨

271条(b)項の「侵害の誘因(inducement)」を成立するには被告が侵害行為を周知していることが要件である。或いは、故意に黙認する行為(Willful Blindness)は「侵害行為を周知している」という要件の代わりとなる。

 

米国特許法第271(b)項:

Whoever actively induces infringement of patent shall be liable as an infringer;

 

合衆国最高裁(8:1)はCAFCの判断基準(Deliberate Indifference:故意に無視する)を否定するも、陪審の判断は結果的には最高裁が言う「故意に黙認する(willful blind)」という基準に鑑み正しかったであろうという理由でCAFC判決を支持した。 Kennedy最高裁裁判官(811)は、willful blindnessという判断基準は、「周知であった」という基準を代替えするものではないとし、反対意見を述べた。

 

Alito最高裁裁判官(818)によると、271(b)項と(c)項は1952年の特許法が立法される前に、侵害の幇助に関して派生したということを述べた。 271条(b)項には「意図」の要件は明言されていないが、同条文の文言、「積極的に誘発する・・"actively induces"」から自明であると述べた。 然しながら、同条文の文言はその構成要件に関して不明瞭な部分があることを認めるとともに、過去の判決において侵害を偶然構成する侵害品のパーツの供給者を侵害の幇助と判断した場合もあり、また、特許の存在を周知している場合に侵害の幇助と判断した場合もあることを認めた。

 

最高裁は、Willful Blindness(意図的に黙認する)という基準は、歴史的に見れば刑事法の基準であるが、この基準を特許の侵害の誘因という行為の判断基準に使用することを否定する理由はないとした。尚、この基準を満たすには2つの要件が必要であるとした;(1) 被告がその事実[特許侵害]が高い確率で起こるという危険性を主観的に知っている;(2)被告はその事実(侵害)を知ることを意図的に避ける行動をした。

 

これら2つの要件にみられるように、Willful Blindnessという基準は、無謀な行為(recklessness)及び過失(negligence)を超える悪質なレベルに限定されることが理解される。 即ち、無謀な行為の債を負う被告(reckless defendant)は不法な行為が発生するという実質的な危険性を周知しているにすぎない、・・・・、そして過失の責任を負う被告(negligent defendant)は同様な危険性を周知する義務があったに拘らず適切な行為を怠った者である。  

 

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