U.S. Supreme Court decided to review

Intent Requirement

for Induced Infringement under 35 U.S.C. 271(b)

 

Commil USA, LLC v. Cisco Systems Inc

U.S. No. 13-896

2014/12/05

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教唆侵害の構成要件である「意図」の要件に関して

合衆国最高裁で審理することを決定

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By Tatsuo YABE

2014-12-07

 

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2014124日、合衆国最高裁はCAFC判決(COMML事件★)の判示事項、「特許が無効であると善意で信じていた場合には被告(教唆者)は教唆侵害の成立要件である「教唆の意図」を満たさないので271条(b)項の責を負わない」を審理することを決定した。

COMMIL USA LLC v Cisco Systems Inc - Fed. Cir. 2013-06-25

21の判決: Prost & OMalleyによる多数意見:Newman判事による反対意見

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最高裁での争点:

特許が無効であると善意で信じていた場合には教唆者は271条(b)項の責任を回避できるか?

筆者の理解:言い換えると、最終的に特許が無効と判断されなかったとしても、被疑教唆者が善意の基に問題となる特許を無効であると信じていた場合には271条(b)項で規定する教唆侵害の責任を回避できるのか?)

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以下裁量上告を認めるべきであるとしたSolicitor Generalの(最高裁に対する)助言の抜粋:

(かなりの部分を省略:詳細はリンクを参照されたい):

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Solicitor General201410月)の助言において、教唆侵害の被告(教唆者)は問題となる特許が無効であると信じていた場合には271条(b)項の責を負わないとした控訴審のCOMMIL判決(Commil USA LLC v. Cisco Systems)271条(b)項の条文および先例(判例法)に鑑み間違いであると述べている。

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Global-Tech最高裁判決において271条(b)項の責任を問うには「教唆の(誘因の)意図」が必要であると判示した。 当該裁判において侵害の対象となる特許の存在を周知している、或いは、当該特許を故意に無視していた場合には271条(b)項の教唆侵害の責を負うと判示した。然し、Global-Tech最高裁判決は教唆侵害の成立要件として被疑教唆者が侵害行為の存在を実際に周知していることが必要か否かに関しては明白に判示していない。 然し、判決文全体から侵害行為の存在を周知していることが要件と読み取れる。 尚、控訴審大法廷判決(DSU Med v. JMS: Fed. Cir. 2006 )においては教唆侵害の成立要件として教唆行為によって侵害行為が起こるという「特定の意図 “specific intent”」」の存在を証明する必要があると判示した。控訴審はその後、In re Bill of Landing Transmission & Processing Sys. Patent Litig2012年)において問題となる特許が無効であるということを善意で信じていた場合には教唆侵害に対し抗弁となると判示した。 この判決は米国特許法271条(b)項の条文の文言とその目的と整合性がない。直接侵害を規定した271(a)項の文言においても被告が善意で特許を無効と信じていたか否かは直接侵害の構成要件とは関係ない。

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Commil事件において特許無効を善意で信じる場合には教唆侵害の意図の要件を満たさないと結論に至った理由として、控訴審は無効の特許を侵害することはできないと言及した。 米国特許法の基では、「侵害判断」と「特許無効の判断」は別の問題(issues)である。 271(a)項及びGlobal-Tech最高裁判決からも、特許の有効性如何に拘らず特許の侵害行為は起こりうる。 より厳密に言うならば特許が無効であると判断されたからといって侵害行為があったという事実は変わらないが、当該侵害行為による責任を回避できるのである。

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Commil判決(2013)において、控訴審は「特許無効を善意で信じること」と「特許非侵害を善意で信じること」に本質的な差はないと言及している。 271(b)項の責を課せるのに、侵害行為を誘因していることを教唆者が周知していることを要件としている場合には、被疑侵害者が特許非侵害を善意で信じていた場合には当該周知の要件を満たさないことになる。逆に、教唆者が誘因行為による侵害行為の発生を周知しているが特許は無効であると信じている場合には当該周知の要件は満たされることになる。

 

さらに、被疑教唆者が主観的に特許の無効を信じているだけで271(b)項の誘因の意図の要件を回避できるか否かは現時点で係属中の他の訴訟においても重要な判断事項である。今回のCommil判決において、控訴審は言及していないが、さらに言うならば、被疑教唆者が問題となる特許の出願中にフロード(不公正行為:35USC282(b)(1))があったということを善意で信じている場合には教唆侵害の責を逃れるということをも示唆している。事実、昨今においては特許権者より教唆侵害の責任を問われた場合には教唆侵害の責を回避するために至急特許弁護士の鑑定書を取ることを推奨している。Brian D. Coggio, Avoid Inducement Liability with Early Opinion by Counsel (Mar. 21, 2014)

 

侵害の教唆者に責を課すという271(b)項は特許の権利行使にとって重要な手段である。271(b)項の立法趣旨として重要なポイントは、特許権者は多くの場合に直接侵害者のみに権利行使をすることが不可能あるいは非現実的となる。然るに、Commil判決における控訴審の判断は当該立法趣旨に基づく(条文271(b)項)の機能を実質的に阻むことになる。

 

上記理由により最高裁が本事件の争点を審理するべきである。

 

関連判決文リンク

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