In re RIGGS. Provisional App can be prior art as its filing date if an only if it has support for the disclosures of the later-filed non-provisional application relied upon by the Examiner to reject claims of other patent application. OPINION by Stoll, joined by Moore (Chief
Judge) and Cunningham (Circuit Judge) |
本件は、仮出願の出願日が引例(後願排除項を持つ日:Prior Art Date)となるための要件に関し審判部の理解を正したものである。審決では、先行技術として引用されたUS公開公報(本出願)のクレーム1項(少なくとも1項)が仮出願でサポートされていればUS公開公報(本出願)の開示内容全体が仮出願の日をもって後願排除効があると判断した。CAFCはこの判断基準は間違いであると判示した。
即ち、審査において拒絶理由で引用されるUS公開公報(本出願)の開示内容が仮出願でサポートされていない場合には当該US公開公報が引例となる日(Prior Art Date)は本出願の出願日である。審査において拒絶理由で引用されるUS公開公報(本出願)の開示内容が仮出願でサポートされている場合には引例となる日(Prior Art Date)は仮出願の出願日である。(時として、我々実務者が当然と理解していることをCAFCが確認してくれることはありがたい)
本件はPre-AIA 102条(e)項の先行技術が根拠条文となったが、本判決はAIAにおいてもAIA102条(a)(2)の先行技術の地位を判断するのに適用される。余談だが本件で問題となった678出願は親出願の日から既に20年以上経過している・・・権利化に掛けるこの執念の源はどこにあるのか?(以上筆者)
注:「本出願」とはNon-Provisional Applicationを意味する。
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■ 特許出願人:以下678出願の発明者(代表Glenn E. RIGGS氏)
■ 特許出願 US Application No. 11/005,678:US App (以下678出願)
出願日:2004年12月7日
仮出願(2000-07-28)を基礎する本出願(2001-07-27)からの継続出願
公開公報:US2005/091100 (2005年4月28日公開)
■ 発明の概要:
広義には物流システムに関する。より詳細には複数の搬送元から異なる搬送手段(鉄道、船舶、空輸、トラック等)によって商品を搬送するシステムであって、発送元・発注先の情報、搬送手段の各種手続き、搬送品の情報を可視化し管理する。
■ Background:
審査において678出願のクレーム1, 2, 8, 10-13, 24-25はLettich引例によって新規性欠如の拒絶とクレーム3, 5-7, 9, 15-20はLettich引例とRojek引例によって自明であるという理由で拒絶された。審判部でLettich引例がPre-AIAの102条(e)項の引例となるかが争点になったが引例と解釈され審査官の拒絶理由が支持された。同審決を不服とし出願人が本CAFCへ控訴した。
争点は3点あるが以下ではそのうちの1点に関してのみ紹介する。即ち、Lettichは678出願に対する引例となるか否かである。
Lettichは2000年4月27日の仮出願を優先権の基礎とし2001年4月26日に本出願となった。以下に678出願とLettichの出願日を時系列で表示する:
上記において、審査官及び審判部はDynamic Drinkware, Amgen判例及びMPEP2136.03に鑑み「Lettich公開公報の少なくともクレーム1項がLettichの仮出願(明細書)でサポートされていればLettichは仮出願日において678出願に対する引例になる」と判断した。同判断基準に基づき、審判部はLettich本出願(Lettich公開公報)のクレーム1の構成要素の全てがLettich仮出願でサポートされていることを確認した。
Dynamic Drinkware,
LLC v. National Graphics, Inc., 800 F.3d 1375 (Fed. Cir. 2015),
Amgen Inc. v.
Sanofi, 872 F.3d 1367 (Fed. Cir. 2017).
■ CAFCの判断
審決を破棄差し戻す。
我々CAFCはDynamic Drinkware判決において、本出願が仮出願の出願日(「優先日」)の恩恵を受けるには、本出願のクレームのサポートが仮出願にあることが前提であると説示した。しかし本件のシナリオについて言及したわけではない。本件においては審査官が本出願のクレーム1項のサポートが仮出願にあるということで本出願の開示全体に仮出願の優先日として678出願を拒絶することを認めている。この判断は正しくない。
本出願のクレーム1項のサポートが仮出願にあることを証明したとしても不十分であり、拒絶理由の基礎となる本出願の開示の内容が仮出願にあることを証明しなければならない。拒絶理由を構成するために仮出願の出願日の恩恵を受けるには審査官が拒絶の根拠とする本出願の開示が仮出願にサポートされていなければならない。審査官及び審判部が判断したように、本出願のクレーム1項のサポートが仮出願にあれば本出願の全ての開示内容が仮出願の出願日の恩恵を受けるとは全くもって意味をなさない。この考え方はCAFCの過去の先例と整合すると共にMPEP2136.03にも整合する。
審判部の主張、即ち、「Lettich本出願のクレーム1の構成要素に対応する特徴がLettich仮出願に開示されている」には同意する。しかし「審査官が拒絶理由の根拠とする開示内容がLettich仮出願でサポートされている」という審判部の判断には同意できない。この点に関して審判部で再考を求める。
結論:
破棄差戻し
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参考:
Pre-AIA 102条(e)項
A
person shall be entitled to a patent unless-
(e) the invention was described in — (1) an application for
patent, published under section 122(b), by another filed in the United States before the invention by
the applicant for patent
発明が、特許出願人の発明日の前に (1) 他のものにより合衆国において出願され122条(b)項の下に公開、或いは、特許された場合
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